第62回メフィスト賞を受賞した作家・弁護士の五十嵐律人による法廷ミステリー小説を「神様のカルテ」の深川栄洋監督が映画化した作品です。
ロースクールに通うセイギこと久我清義と、同じ学校で法律を学ぶ幼なじみの織本美鈴、ロースクールの学生たちが行う「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる模擬裁判を司る天才・結城馨は、共に勉強漬けの毎日。無事に司法試験に合格し、弁護士となった清義のもとに、ある時、馨から無辜ゲームをやろうという誘いがくるが、呼び出された場所へ行くとそこには血の付いたナイフをもった美鈴と、すでに息絶えた馨の姿が…
劇場でも観ましたが序盤の戸塚純貴の演じるキャラのありえないほどのクソ野郎ぶりに早々と観る気を失って前半の途中で寝ることを選択した作品でした。
amazonプライムに入っていたので改めて観てみましたが、臭い演技はベテランの大森南朋も同じでこれはキャストのせいではなく、演出がこのあまりにも臭い演技を求めているからこんなことになっているのだなと察しました。
永瀬廉とか杉咲花は対照的に聞き取れないくらいぼそぼそしゃべりこれまた観ていて非常にイラつきます。
この二人は映画で同じような暗い役ばかりやっていることもこの作品を観る気にさせない大きな一因です。
キャストが悪いわけでは全くありません。この内容に対してキャスティングと演出が上手くハマらず魅力に欠けるのです。
そんな演出のせいで物語を楽しむどころではなくなり、不快感でいっぱいになります。
深川監督は自主製作の「光復」とはではいい仕事をしているのにこういうメジャー仕事では駄作メーカーとなっている落差のある監督です。
観る方ととしてとてもやっかいな監督だなと思うばかりです。
ここまでの嫌な印象のせいで最後のどんでん返しも楽しめません。
物語自体の中身がわかると「白夜行」の劣化コピーにしか思えず、ドラマの「白夜行」は素晴らしい映像化だったなあとか思いました。深川監督は「白夜行」も映画化していますが、先に映像化されたドラマよりも見劣りする仕上がりでした。(そもそもあの長い原作を映画1本にするのは無理だったと思う)
「白夜行」で失敗した監督に似たような内容のこの作品の映画化を依頼した人は経歴だけ観て発注したんだろうなと思います。