「子宮に沈める」の監督がネット動画をきっかけに追い込まれていく女子高生を描く「飢えたライオン」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

「子宮に沈める」の緒方貴臣監督がネットなどがもたらす情報の加虐性を描いた2017年製作の作品です。Amazonプライムで観ました。

 

ある高校の朝のホームルームで瞳のクラス担任が未成年への淫行容疑で警察に連行される。担任の性的な動画が流出し、その相手が瞳だというデマが流れ出し、最初は軽く考えていた瞳だったが、デマがさも事実かのように広がっていき…

 

「子宮に沈める」に続き緒方監督の作品を観ました。この作品は劇場でも観ています。「子宮に沈める」に続けて観るとその描き方の一貫性を感じます。

ある事象の拡がり方を説明的でなく観察風に淡々と描き、その悲劇の真相を描き出しています。

わかりやすくドラマチックにしないことの強さがこの監督の強みだと感じます。

悲劇が起こってからのまわりのリアクションが渦中にあった彼女へ対応と真逆で怒りを感じます。彼女のいなくなったあともいろんな人が追い込まれていく姿が描かれ、飢えたライオンというタイトルは咬みつくターゲットを常に求めている世間であることが示されています。

この作品から5年、新作の「シンデレラガール」はこれまでの手法とは違う物語の紡ぎ方に挑戦していて、それはそれで成功しているのでこの監督の次回作が楽しみです。