あの五社英雄がやりたい放題やっているビザールな時代劇アクションの怪作だった「十手舞」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

「週刊サンケイ」連載の五社英雄、森幸太郎原作の劇画を五社英雄自ら映画化した1986年の作品です。BS東急で放送したのを録画してあったのをやっと観ました。


江戸伝馬町牢屋敷で斬罪が申し渡された弥助ら3人が影十手となって二十年。松平周防守の抜け荷を暴こうとしていた弥助は、周防守の手先、牙の伝蔵の情婦・お蝶と出会う。お蝶は、かつて捨てた実の娘だった。お蝶は自分と母を捨てた弥助を復讐を心に決めていたが…

 

小池一夫原作の時代劇漫画のような奇抜な設定と外連味溢れるセリフたっぷりの異色時代劇でした。宮尾登美子原作作品で評価を高めた五社英雄監督ですがそもそも彼は「三匹の侍」で有名になった監督であったことを思い出させる昭和感あふれる娯楽時代劇です。

石原真理子が時代劇なのになぜか新体操のリボンを操って戦うヒロインを演じています。

夏木マリが「フラッシュダンス」みたいに舞い踊る場面が脈絡なく挿入されたり、立ち回りで竹中直人がブルース・リーのモノマネをしていたり、コメディみたいなシーンもあり、ビザール過ぎます。

逆にふだんコミカルな高田純次がシリアスに演じていたりして、すごく妙な感じ。

一気に数人を火だるまにする凄いスタントシーンもあるし、通常の時代劇ではありえない仕掛けがてんこ盛りだし、ちょいちょいオッパイを出してくるし、五社英雄がやりたい放題やっているのがなんか嫌いになれない作品でした。

月1本くらいこういうハチャメチャな映画が公開されれば日本映画界はもっと豊かになるだろうな。