「不適切にもほどがある!」の時代のリアルな青春コメディな「本場ぢょしこうマニュアル 初恋微熱篇」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

有間しのぶ原作の同名漫画を「BE・FREE!」の中田新一監督が映画化した1987年の作品です。東映オンデマンドで観ました。

 

東京郊外の中規模都市。丘の上にある県立藤ヶ丘女子高等学校では、美しくのどかな雰囲気にふさわしく生徒たちも健康でのびのびと何の悩みもなさそうに育っている。2年生沢木みちこは工業高校のラグビー部のスーパースター、大谷直人にラブレターを書いて手渡す。みちこと幼稚園からの同級生で親友の広美は以前から大谷とつき合っていたが、彼がいるなんてなかなか言いだせず。広美と相談した大谷は手紙の返事を出さず、憤るみちこ、広美の苦悩をよそに女子高は今日もハチャメチャに賑わっていて…

 

1987年製作なのであの当時の懐かしいキャストがいっぱいです。

ヒロインの工藤夕貴は「台風クラブ」「逆噴射家族」の過激な作品のイメージが強いですがここでは普通の中の普通の女子高生、その親友には「櫻の園」の白島靖代、その彼氏にはなんと当時銀蝿一家でバリバリのヤンキー(当時はツッパリと呼んだ)のだった杉本哲太が普通のモテる男子高生役で、その友達が「家族ゲーム」の宮川一朗太、ヒロインの友だちに同性愛的な目を向けられる先輩が大映ドラマの常連伊藤かずえです。

「不適切にもほどがある!」の主人公の生きていた時代が1986年で、この映画は1987年の作品なのでほぼ同時代の感覚。やっぱり現代ならハラスメントな行為が山ほど出てきたりします。

さすがにこの時代になると聖子ちゃんカットも下火な感じはします。

工藤夕貴がリアルタイムで普通の女子高生を演じた映画はこれだけだったりするのが意外ですが、改めてみると当時の工藤夕貴はめっちゃかわいいです。

お笑い担当のしのざき美和とか今で言うと丸山礼的なキャラかなとか思います。

エンディングロールにみんなで歌うシーンはふてほどのミュージカルシーンに影響を与えているのかも。おニャン子クラブ風のその曲が庵野秀明作品でお馴染みの鷺巣詩郎の曲だったりして、なかなかの顔ぶれによる作品です。

これが当時まだ人気だった「ビーバップ」シリーズの作品と2本立てだったということはわりと多くのお客さんに観られている作品なのかも。