タイトルに偽りなしのとんでもない浮世風呂が大奥に出来る東映版ポルノ大奥な「大奥浮世風呂」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

「好色元禄(秘)物語」の関本郁夫監督による1977年製作のピラニア軍団志賀勝が主人公の異色大奥映画です。

 

旗本の女房をよがらせ小遣い稼ぎする遊び人の全次郎はその真っ最中に亭主が帰ってきて遁走し、逃げ込んだ先の寿命院では、住職が美男僧・法円をつかまえ手籠めにしようとする真っ最中。全次郎はそれをネタに寺へ潜り込み、名も柳全と改め仏に仕える身に。法円をそそのかして住職を殺させた柳全は、寺を舞台にドンチャン騒ぎを繰り広げる。全次郎の好いた仲のおこよも、かぶき者の生活に飽きて大奥に潜りこみ、かつて将軍の寵愛を一手に受けていた粂村に召しかかえられるが…

 

一般的な大奥のイメージとはおよそかけ離れた異色な大奥映画でした。

どちらかというとピラニア軍団志賀勝主演のピカレスク時代劇な側面も強い作品で遊び人の全次郎が若い美男子僧を操ったり、仲の良いおこよを大奥に送り込んだりして四代家綱の世継にも関わっていくきというお話でした。志賀勝が眉毛のない髭面で女装して大奥の便所に忍び込む場面を大真面目にやっていたり異様な迫力に満ちた作品でした。

大奥に行くおこよ役が「愛のコリーダ」で阿部定役を演じた松田英子なのが売りの作品でクライマックスでは阿部定事件のような見せ場もあるポルノ時代劇になっています。さらにポルノを期待するお客さんへのサービスとして当時のトルコ風呂のようなものを大奥に作って女たちが将軍さまを泡プレイでもてなすというすごいシーンがあって現在、テレビでは絶対に放送出来ない見せ場となっています。

当時はおそらく邦画の斜陽期だったと思いますが、こんなバカバカしい映画が生まれたのは奇跡としか言いようがありません。