搾取しようとする男たちに立ち向かうファッションモデルの痛烈な復讐劇「しびれくらげ」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

増村監督+渥美マリ主演の「でんきくらげ」に続く1970年製作のの軟体動物シリーズ第2弾です。

 

売りだし中のファッション・モデルのみどりは、大東繊維に勤める恋人・宏の口ききで彼の会社のファッション・ショーを中心に、週刊誌のグラビア等を華々しく飾っていた。ある夜、みどりは突然宏から「取引先の重役、ヘンダーソン氏と一夜をともにしてほしい」と懇願され、ふたりの将来のためという宏の口説きに、みどりは戸惑いながら…

 

エリートサラリーマンの恋人に枕営業させられ、ダメな父親が美人局にあいヤクザから金を請求され、その父親が恋人に金を無心したことから恋人との仲がこじれ…という男性に搾取されまくりなヒロインを渥美マリが演じます。

そんな状況にありながらヤクザの若い衆が彼女に同情してという展開でヒロインを取り巻く様々な男たちとの人間模様が描かれます。前作同様棒読み演技ですが、さらに強めの演技になったことでよりいっそう「スチュワーデス物語」感が出てきています。

いろいろと誇張された演出がいかにも増村保造で、人間のむき出しの欲望がぶつかり合う様を強烈に描いています。

セクシー路線の軟体動物シリーズですがセクシー要素は弱め。しかし、面白さは前作以上で続けて観れば増村ワールドにの虜になること必至です。