あいち国際女性映画祭上映作品です。
湖畔にとめられた車から女子高生ユリら3人の死体が発見される。警察は自殺と断定するがユリの母ヘヨンはそれを認めず、ユリの友人イェナと担任のギボムが関わっていると主張し二人を告訴し…
プロデューサーのイ・ウンギョンさんが通訳も兼ね、キム・スイン監督、母役チャン・ソヒさん、娘役カン・アンナさんの舞台挨拶付きで観ました。
この作品を企画された理由、韓国の青少年の自殺の理由に親子関係が多く、友人からその話を聞き、キム監督に相談した。監督はけっこう脚本家として優秀で脚本を依頼したらいいのが出来て、監督もいたいというので任せたと。
監督は脚本家として活動してきて、依頼があると企画者の意図を考えながら脚本作りをしているが、今回は自分なら自分の物語として作れると嬉しかったと。
まず母ヘヨン役からキャスティングした。
ヘヨンにソヒさんを起用したのはドクチンというタイトルだけど、悪いイメージの人を起用したくなく、優雅だからいいと思った。ソヒさんが復讐劇の女王と呼ばれているのも合うと思った。
ソヒさんは6年ぶりの映画出演に11歳のとき、子役でスクリーンデビューしたがドラマ出演が多くて、いつの間にかお母さん役の年齢になっていて、普通のお母さん役より個性的な役をやりたいと思ったので受けた。
アンナさんはこれがスクリーンデビューで、初主演。先輩と監督が優しくて楽しく現場を過ごせた。意欲的にユリ役に取り組んだと。
質疑応答コーナー
Q監督にキム・セイン監督も毒親をテーマに映画「同じ下着を着るふたりの女」を作っていたが?
A監督はその作品を観ていないので語れないけど、毒親という言葉は韓国ではまだ新しい言葉。韓国は漢字を使わないの毒針と勘違いされるほど。
だからまだインパクトのある言葉としてタイトルにした。
タイトル負けしない物語にしたいと思った。
自分の親は朝鮮戦争の時代に生まれた世代で自分たちよりいい生活をさせたいという想いが強かった。
Qアンナさんは最後のセリフ「お母さんのお母さんになって愛することを教えてあげたい」を言うときの気持ちは?
A韓国で上映したあと、ラストシーンの反響が大きかった。撮影前にいろいろ考えたけど、考えがまとまらなくて、監督と何度も話し合ったと。悲しそうに言わない方が悲しく見えるだろうと監督がアドバイスした。ユリは母を愛し過ぎて、母を変えるには自分が死ぬしかないと思ったと。
Qユリの担任が毒親の父との関係を描かれていて、担任は父に仕返ししたのはユリとの対比なのでしょうか?
Aとても正確な分析で驚きました。
担任とユリは同じレストランにいた。ユリにあれが出来たら自殺することはなかっただろうと。監督が同じ立場なら家を出て自立していたと思うが、ユリは私ではないので悲しい選択をした。
Qソヒさんがヘヨンを演じる役作りの参考にしたものはあるのか?
Aソヒさんは独身なので想像力と観察力を発揮させるしかない。友達とか親にも話を聞いて参考にした。自分に出来なかったことを子どもに託す親が多く、そういう親のイメージで演じた。