「フレンチ・コネクション」のウィリアム・フリードキン監督が1973年に製作したオカルト映画の代表作です。
女優クリスの12歳の娘リーガンは何かに憑かれたかのようにふるまうようになる。病院の科学的な検査でも原因は判明せず、醜い顔に変貌したリーガンは緑色の汚物を吐き、神を冒涜するような卑猥な言葉を発する。そして、リーガンの前にふたりの神父メリンとカラスが訪れ、悪魔祓いを始めるが…
久しぶりにオリジナル版を観ました。冒頭がメリン神父がイラクで悪霊パズズの像を見つける場面でけっこう長いのにびっくり。
リーガンの母、クリスの撮影シーンやリーガンとの家庭生活やカラス神父の母の関係を描く場面へと続き、序盤にはまるで恐怖シーンがありません。
やがてリーガンが部屋の異変を感じやっとホラー要素が出てきます。
やがてパーティーでリーガンが失禁する場面へと続き異常さが高まります。
さらにリーガンのベッドがガタガタ動くポルターガイストに。リーガンは唾や暴言を吐きまくり、医師は脳の障害だと診断。でもクリスはベッドのガタガタを見ているから霊的なものだと信じています。
いろんな医療的な検査のかいなく、精神科にバトンタッチしますが、催眠でリーガンの中のものを呼び出すとまたリーガンが暴れて精神科医の股間を攻撃。結果、医師たちはショック療法として、悪魔祓いを提案します。
この作品は科学的な治療をさんざんやって、その先に悪魔祓いをおいて展開にリアリティーを与えています。
中盤から変死した監督の捜査で刑事が登場。またリーガンの異常さを裏付けるような話をしていきます。
刑事が帰ったあとにあの有名なリーガンの首が180度回る場面となり、クリスは近所に住むカラス神父に相談します。
いったんは悪魔祓いはもはや存在しないというものの、リーガンに会って、彼女がカラスの母の話して、クリスの話を信じます。
リーガンの声を録音したテープを聞く場面では「TASUKETE!」という貼り紙が壁にあったりします。その次の場面にはリーガンのお腹にHelp meの文字が。そして、教会はメリン神父に悪魔祓いをまかせます。演じるマックス・フォン・シドーは当時40代前半なのに見た目は老人です。
悪魔祓いのシーンで息を白くするのとか地味に凄い演出。メリン神父がやることは聖書を読むだけ。あとは祈りと聖水のぶっかけ。壮絶な戦いの果てには…
それまでのホラー映画とは全くことなる実録映画的なアプローチで悪魔憑きを描き、オカルト映画という新たなジャンルを築いただけのことはある傑作でした。