意外にも被爆者女性のラブストーリーだった「高野豆腐店の春」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


「しあわせのかおり」の藤竜也と三原三尋監督コンビによるヒューマンドラマです。

尾道にある高野豆腐店の愚直な主人辰雄と娘の春はコツコツ豆腐を作り続ける毎日。そんな二人にそれぞれ新たな出会いが訪れ…

前半はコテコテの昭和の下町人情ドラマが展開して、なんで今さらと思いましたが、後半、辰雄が病院の患者仲間の女性との交流の話になり、彼女が被爆者で孤独な身の上ということがわかるにつれ、ドラマに深みが増してきました。舞台が広島・尾道ということも物語とリンクしてただのご当地映画では終わりませんでした。
藤竜也の頑固オヤジのバイバイの仕方が独特で可愛かったりするのが、いい感じです。娘の相手役の人にももう少しドラマがあると良かったのにと思いました。とはいえ最後にはけっこうすすり泣く声が聞こえてきたので成功した方なのでは。