原作の泣ける要素だけ残して映画化した泣かせるためだけの映画だった「ラーゲリより愛を込めて」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

辺見じゅんのノンフィクション小説「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」を基に、「糸」の瀬々敬久監督がシベリアの強制収容所に抑留された実在の日本人捕虜・山本幡男を描く伝記ドラマです。

 

第2次世界大戦後の1945年。零下40度のシベリアの強制収容所に抑留された日本人捕虜たちは重労働を強いられ、命を落とす者が続出していた。そんな中、日本にいる妻や子どもたちのもとへ必ず帰れると信じる山本幡男は、周囲の人々を励まし続ける。彼の行動と信念は、やがて多くの捕虜たちの心に希望を持たせ…


原作を読んでから観ました。原作はしっかりと取材されていてノンフィクションの要素が強い作品でした。内容的には映像化してもとても地味なものにしかならない気がしました。原作は30年以上前に出版されたものでなぜ今映画化されたか謎です。

原作にある山本幡男がやったことの一番大事な部分がざっくりとカットされていて、泣きにつながる部分だけにした作品でした。

キャストの演技もメイクアップも大げさで臭くて全く泣けませんでした。

豪華キャストで地味な部分削って、泣ける内容だけにしたこの作品は実際にあった悲劇をエンタメとして消費するだけの残念な作品としか思えませんでした。泣いて気持ちよくなるより、大切なことが原作にはあったはずなのに。