ちょっと「ハッチング-孵化-」を思わせる思春期ホラーだった「Dressing UP」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


「蒲田前奏曲」の安川有果監督が2012年に製作した68分の中編作品です。

幼い頃に母を亡くし父子家庭で暮らす中学1年生の育美は学校で将来の夢を考える課題をきっかけに亡き母に興味を持つ。やがて母の隠された過去を知り…

最近、「サマーフィルムののって」などで存在感ある演技を見せる祷キララさんの初主演作品です。
この作品ではまだいかにも子どもな感じのあどけなさですが、顔は今とそんなにイメージが違いません。お父さん役は「死刑にいたる病」でも父親役だった鈴木卓爾。
キララさんはイジメに遭いそうになりながら、イジメっ子を返り討ちにしたりします。こんな子ども時代からエキセントリックな役をしていたとは。
お話は「中学生日記」っぽいです。と思ったら全く予想不可能な展開が待っていました。
亡き母の父=祖父役で大道芸人のデカルコ・マリィさんが出演していてびっくり。普通の人をやるには髪型や声が独特過ぎます。
撮影は「ドライブ・マイ・カー」の四宮秀俊。
途中、母が残した絵の怪物のようになる場面とかホラーのようです。
キララさんの2020年公開の主演作「ファンファーレが鳴り響く」はこの作品の続編に見えるくらい彼女のキャラクターに共通点を感じます。
こんな破壊衝動満タンな女子中学生をナチュラルに演じられる女優はなかなか稀有だと思います。