「ラプラスの魔女」以来の三池崇史監督の新作です。主演は「ファンシー」でも共演の窪田正孝と小西桜子。
天涯孤独の天才ボクサー葛城レオは試合でまさかのKO負けを喫し病院へ担ぎ込まれる。医師から余命わずかと言われた彼は自暴自棄になった彼は歌舞伎町で追われる少女モニカと出会う。咄嗟に彼女を助けたレオが殴った相手は悪徳刑事大伴で…
チャイナマフィアとヤクザが一触即発の街でヤクザの下っ端が悪徳刑事と組んでシノギの覚醒剤をかすめてチャイナのせいにしようと計画を立てるも、覚醒剤を預かる別の下っ端の家にいる借金のカタに売られた少女がシャブ中で幻覚を見て逃げたことから番狂わせが始まり、余命宣告を受け自暴自棄になったボクサーが彼女を助けたことでさらに事態が混乱していくといういかにも三池崇史な世界観の物語で彼の初期作品を思わせました。
男性陣の豪華キャストさと対照的にヒロインは無名の小西桜子を抜擢しています。なんか顔が前田敦子っぽかった。
麻薬中毒でずっとブリーフ一丁の父の幻覚に怯え続けるばかりで見せ場がまるでありません。
代わりに殺される下っ端ヤクザの女役のベッキーが復讐に燃え大暴れします。
そんな感じでベッキーは頑張っているけど、女優ベッキーにどれくらい需要があるのか？
ヤクザ陣営の豪華キャストもそんなに見せ場はなく、後半にチャイナと派手にやりあいますが、観客的には主人公にしか思い入れないから抗争を見ても高まりません。
抗争のあとに主人公二人が立ち直る過程が描かれますがわざわざ見せる必要あるのかという気持ちになります。
そして、タイトルの「初恋」の意味が最後にわかるけどうーんという感じ。
「不動」とか「DOA」とか「オーディション」とか「殺し屋1」に度肝を抜かれた世代としてはちょっと寂しい気分。
全体的にもっとはっちゃけてもいいのにと思うくらい大人しい三池映画でした。