大石圭原作作品はなぜこれほどまでにエロチックな傑作揃いなのか?「アンダー・ユア・ベッド」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


大石圭のエロティック小説を「バイロケーション」の安里麻里監督が映画化した作品です。

誰からも名前すら覚えてもらえない男三井は大学時代に初めて女性に名前を呼ばれた。彼女と喫茶店でマンデリンのコーヒーを飲んだことが彼にとっては忘れられない幸せな出来事だった。11年後、興信所に彼女のことを調べてもらった三井は彼女の家の近くに観賞魚店を開く。店の三階から彼女を監視していた三井は彼女ぎDV夫に苦しめられていることを知る。店で再会した彼女は別人のように変わっていた。三井は彼女に開店サービスとグッピーをプレゼントし、彼女の家に入る。彼女の家の合鍵を作った三井は彼女のベッドの下に潜み…

予告からは乱歩的な映画かと思っていたらかなり石井隆的な物語でした。
彼女の写真のコピーを壁にはるというエドワード・ヤンの「恐怖分子」まるだしな場面もあったりします。
誰にも記憶されない影の薄い男が片想いし続け、ようやく彼女に近づくけど、彼女に思い出してもらえないし、DV夫から彼女を助ける勇気も出ないという悶々とした感じがなかなか刺さります。
ボコボコにされるのが西川可奈子さんで「私は絶対許さない」の少女時代を演じたときに匹敵する暴行シーンが多く、全裸ヘアだしなんて当たり前でなおかつボコボコなので全くすごいやられようでした。彼女の女優魂を感じました。この作品の成功は彼女の起用が大きいと思います。
お客さんもほぼ満席でやっぱり本気の映画にはお客さんが集まるものです。