ジョン・ウー監督の「マンハント」のオリジナル版である佐藤純彌監督の1976年公開作品です。BSでやってたので観ました。
東京地方検察庁の検事杜丘は街中で水沢恵子に強盗呼ばわりされ逮捕される。
さらに寺田俊明からもカメラを盗んだと訴えられ家宅捜索すると盗まれたものが杜丘の部屋から発見される。
隙を見て逃げた杜丘は水沢恵子の家の大家に彼女の実家を聞き能登へ行くと水沢と寺田が横路という夫婦だったことがわかる。
しかし、女は殺されており、今度は横路のいる北海道へ。そこには警察が待ち受けており、日高山中に逃げこんだ杜丘は熊に追われて木の上で助けを求める真由美を救うが川に転落し流される。
杜丘は真由美に助けられるがそこへ矢村警部が現れ逮捕される。
そのとき熊が三人を襲い…
いろんな地方に飛ぶ展開は「マンハント」以上に映画的なスケールを見せます。
キャストも杜丘に高倉健、矢村に原田芳雄という異色の顔合わせだし、ヒロインが中野良子というのも高倉健映画っぽくないし、田中邦衛が横路だったり真由美の父が大滝秀治だったりなかなかの顔ぶれです。
ただ唐突に熊が出て来たり、杜丘が運転したことないセスナ機に乗って逃亡したり、東京で馬を暴走させたりするとんでもな展開が面白すぎて当時の日本ではあまり受けなかったみたいです。
今見ると逆に楽しいけど。
「マンハント」とは主人公の職業も展開も舞台となる街も違いますが事件の背後に製薬会社の新薬開発が絡んでいることは共通しています。
それにしてもワイルドを絵にかいたような原田芳雄の矢村警部を福山雅治にやらせたジョン・ウーは何を狙っていたんだろう?