アキ・カウリスマキが現代フィンランドの難民問題をいつもの感じで生温かく描き切る「希望のかなた」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。


久しぶりに観るアキ・カウリスマキ監督の新作です。

内戦が激化するシリアから貨物船に乗ってフィンランドに流れついたカーリド。
フィンランドに難民申請をするも通らず強制送還の日に施設から逃亡する。
カーリドには生き別れた妹を見つけるという目的があった。ネオナチの暴力に遇いながらもレストランオーナーのヴィクストロムに拾われた彼は身分証も偽造してもらいヴィクストロムの店で働くことに。
さらに親友から妹が見つかったと聞かされ、ヴィクストロムによる妹密入国作戦が展開されるが…

いつもの顔ぶれにいつものテンションで物語が展開しがちなカウリスマキ作品ですが今回大きく違うのは主人公がシリアから来た青年というところです。
フィンランドが直面する難民問題をいつものメンバーとユーモアを交えて展開しつつも、題材が題材だけにシリアスな場面もあります。
また日本好きな部分もレストランを寿司屋にするなどカウリスマキの持ち味が発揮されるコメディパートがあったり、レストランオーナーのロマンスにもなぞの日本の歌が一役買ってます。
久しぶりにカウリスマキ作品を観ましたがどんなテーマであってもこのブレなさはなかなかすごいと思う。