同じ題材でも「ナチス第三の男」と違ってハイドリヒはほとんど出てこない「ハイドリヒを撃て!」 | キネマ画報

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ナチス第3の男として恐れられたラインハルト・ハイドリヒの暗殺計画を描いた「フローズン・タイム」のショーン・エリス監督の作品です。

ヒトラーの後継者と言われたナチス高官のハイドリヒはユダヤ人虐殺の実権を握っていた。
ハイドリヒ暗殺計画を企てたイギリス政府とチェコスロバキア亡命政府は7人の暗殺部隊をパラシュートでチェコスロバキアに送り込む。
ハイドリヒ暗殺は成功するが…

最近、「ナチス第三の男」というタイトルで同じモチーフ作品を観てのこの作品が観たくて探していたらNETFLIXにあったので観ました。
「ナチス第三の男」はハイドリヒの台頭から暗殺までを描きますがこの作品は暗殺計画前後を描いています。
ちなみにフリッツ・ラング監督の「死刑執行人もまた死す」はハイドリヒ暗殺後をメインに描いているそうです。
ショーン・エリス監督の「フローズン・タイム」エロい映画としてかなり有名ですが、この作品はハードな歴史ドラマです。
写真家でもあるショーン・エリス監督の作品は映像的にも魅力的でざらついた質感の画面が物語のサスペンスを盛り上げます。と思ったらロマンスもあったりと映画的な展開。
中心となる二人を演じるのはクリストファー・ノーラン映画の常連キリアン・マーフィーと「フィフティ・シェイズ」シリーズのジェイミー・ドーナン。ジェイミーはあのソフトポルノシリーズの変態エグゼクティブ役とは大違いの雰囲気。
この映画は暗殺後がむしろクライマックスとなっています。
暗殺後のナチスの報復がまたエグいです。
暗殺部隊を匿った家族に対する拷問の酷さ。
結局、高官を殺したところでナチスの蛮行は終わらないという空しさ。
毎年、数本公開されるナチス映画ですが、これはその中でもなかなか見応えある一本でした。