元子役俳優たちが地方の行き場のない青春を熱演する「獣道」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

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今年「ダブルミンツ」「身体を売ったらサヨウナラ」など公開作品が続く内田栄治監督の新作です。

母が新興宗教にハマリかまってもらえない愛衣は教団施設に入れられアナンダという新たな名前を与えられ幸せに暮らす。しかし、教団に捜査が入り愛衣は7年ぶりに家に帰る。
母は相変わらず愛衣に無関心だったが、学校に通い始めた愛衣を亮太は好きになる。
愛を求めてさすらう愛衣はヤンキー集団に入る。ヤンキー集団は内部分裂を起こし、愛衣はそこからもドロップアウトしていき…

基本は愛衣の流転の人生を描いていますが、彼女にからむ男女の姿を描く青春群像劇でもあります。
愛衣役が「女王の教室」の伊藤沙莉で亮太が「オールウェイズ」の須賀健太、ヤンキー集団のボスの彼女役が「ピストルオペラ」の韓英恵、愛衣が居候する家の娘役が「サイドカーに犬」の子役、今や監督の松本花奈と元子役が主要キャストにいっぱいです。
伊藤沙莉は汚れまくりな役で悲しげなπもさらしています。逆に韓英恵は胸もまれまくりな役ですが露出は下着まででした。
元子役は演技力があるから仕事は多いけどなかなかブレイク出来なくて鬱屈がたまっている感じがします。その感じが地方で燻る若者たちのイメージにハマったからこそなキャスティングの気がします。
元子役以外にもはねっかえりのヤンキー役の吉村界人がかなり目立っています。最近はゴールデンのドラマにも進出してチンピラを好演していますがこれは代表作になりそう。
芸人マテンローのアントニーがヤンキーのボスを堂々と演じていて違和感なく観られるのも地味にすごいです。
個人的には冨手麻妙が「ダブルミンツ」に引き続き登場しはじけたヤンキー演技を見せていたのが拾い物でした。
映画の内容は目まぐるしくステージが変わるわりに90分ちょいしかなくせわしないですが、ずっと面白いです。
もうちょい重い場面があればカルト映画にもなれたかも。