そのきっかけはこの映画「放課後」のビデオのパッケージ写真。
しかし、繰り返し観たビデオはテープが擦り切れて観られなくなり、DVDを探していたらようやく先日見つけました。

写真がビデオパッケージと違う…

これです。この写真です。
すごく青春してる写真!
高校1年の亜矢子は隣に住むクラスメートの勉の家に間借りする研二と夏子夫婦に興味津々。
放課後、街で研二と高校の先輩の姉がデートしているところを目撃し、勉のカメラで盗撮する。
その写真を夏子に見せると彼女は平然を装うが、その後に研二のデートしていた女がやっているスナックに乗り込んでいく。
さらに亜矢子のイタズラがきっかけで夏子は家出。
その頃、亜矢子は自分に想いを寄せる先輩が彼の姉の店の従業員の女に遊ばれ、姉と大げんかする修羅場を見てしまう。
亜矢子は泣きながら研二のところへ行き、想いをぶつけるが…
研二が地井武男で夏子は宮本信子です。
地井武男がモテモテで宮本信子にちょっとセクシーな場面があったりして照れ臭いです。
栗田ひろみは小悪魔というには幼い年上の男性に憧れる少女。
映画自体は改めて観ても傑作とか名作とか思えないですけど、栗田ひろみのかわいさだけで夢中になれます。
学生運動があさま山荘事件で収束し、とんがっていた70年代はじめ頃の若者が普通の青春を謳歌しはじめた姿をこの映画で観ることが出来ます。
主題歌の井上陽水の「夢の中へ」の軽やかさが暗いフォークソング時代の終わりを感じさせます。
パッケージ写真の雨に濡れる彼女の場面はラスト近くの短いショットで、この場面だけ彼女のイメージビデオみたいに抜群に美しいです。
エンドクレジットには協力 篠山紀信と名前がありました。
ヒロインの友達の勉がカメラを趣味にしているからだと思いますが、劇中に登場する栗田ひろみのポートレイトも欲しくなるほどいい写真です。
でも雨に濡れる彼女の場面こそが最高にいいんです。
監督はこの後に大作「日本沈没」(同じ73年に公開)と「八甲田山」でヒットを飛ばす森谷司郎。
作品の振り幅がスゴすぎ。
森谷司郎監督はこの作品の前に栗田ひろみを「夏の妹」でに主演に抜擢した大島渚監督に対し、栗田ひろみを見いだしたの自分と自負していたとか。
でも宮本信子も大島渚監督の「日本春歌考」でデビューしていたりするので、二人の女優選びの趣味は似ているのかも。
「夏の妹」の自然体な彼女に対し、こっちの栗田ひろみはすごく棒演技に見えます。
でもこれはこれでアイドル映画的で好きです。
