
いがらしみきおの漫画「かむろば村へ」を松尾スズキが映画化した作品です。
原作は連載時に読んでいましたが、なぜ今映画化されたのか全く謎です。
お金アレルギーでお金に触れなくなった元銀行マンの武晴がお金を使わず自給自足生活をするため、かむろば村へやってくる。
村へのバスは村長の与三郎が運転し、村のスーパーを切り盛りする与三郎の妻亜希子ともども武晴の世話を焼いてくれる。
さらに村には神様と言われるなかぬっさんがおり、武晴に村にいれば望むかたちにはならないけど問題は解決すると忠告する。
その言葉通り、美人局にあったり散々な目に遭いながらも現物支給の便利屋として生活はなりたち、村のバスのオーナーになりネーミングライツで話題にもなる。
しかし、そのネーミングライツの記事を見た与三郎に恨みを持つヤクザ多治見が村に現れる。
新巻鮭を手土産に現れた彼は、亜希子を誘拐し…
全く原作を思い出せないくらい松尾スズキらしい世界観の独特過ぎる喜劇になっていました。
それより何より注目は二階堂ふみと松たか子が過去最高にエロいことです。
露出度がすごいわけでもないのに完全にいやらしく映っているのです。
二階堂ふみは武晴を美人局にかける女子高生役で武晴を誘惑し、かなり濃厚なディープキスをされていました。
笑いのためにそこまでやるかと思わせるほど女優魂むき出しなディープキスでした。
松たか子は監督自ら演じるヤクザに下着姿で軟禁されます。
松たか子はこの作品同様阿部サダヲと夫婦を演じた「夢売るふたり」でもなかなかにさらけ出していましたが、この作品では監督自身のいやらしい目線が投影されていて、監督演じる多治見のいやらしい欲望の対象にされ、いやらしく見られているのを見事に視角化したいやらしさでした。
マジックリアリズム的な意表をつくファンタジー描写や、いつもの大人計画的な笑いもいっぱいだし、「あまちゃん」メンバーもいっぱいだけど、この隠しきれないエロ目線が一般の共感を拒絶していて個人的には最高でした。
追記
コンビニで原作を見つけ読み直しました。
ストーリーはわりと原作に沿っていましたがエロいシーンは映画のオリジナルでした。
映画を観てひかれたエロシーンが全部映画オリジナルの場面だったことに映画化した意味を感じました。