原作のラストの山場がなくてちょっとびっくり!「八日目の蝉」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

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昨年NHKでドラマ化もされた角田光代のベストセラー小説を永作博美と井上真央のW主演で映画化した作品です。

ドラマを観て原作も読みました。

ドラマでは永作の役を壇れい、井上の役を北野きいが演じていてすこぶるハマり役でドラマ自体もなかなかの力作でした。

だから映画はドラマを超えられないだろうと思いつつも気になるので観に来ました。

原作は2部構成でヒロインが愛人の子を発作的に連れ去り、母子として逃亡生活をし、小豆島でその終わりを迎える第1部と大人になったその娘が不倫で妊娠、同時にかつて逃亡中に共同生活していた友達から取材を申し込まれ、逃亡生活の足跡を辿る第2部の二部構成。

映画は一部の逃亡生活と現在の娘の過去を辿る旅をカットバックし、後半は過去と現在が同時進行していきます。

構成は違いますが、出来事の流れはだいたい同じです。

大きな違いは構成の他に、名古屋のゴミ屋敷の婆さんが登場しないことと現在のヒロイン(誘拐犯の方)の生活が描かれないこと。

ドラマ版は誘拐するヒロイン目線で描かれ、映画は誘拐された娘目線になってます。 

映画でも十分泣ける仕上がりにはなってますが、個人的には原作により近い仕上がりのドラマの方が好きです。

映画版のエンゼルホームのパートは端折りすぎて消化不良な上に変な集団に描きすぎでしたが、それ以外はまあまあの仕上がりだと思います。

永作の授乳シーンとか井上のラブシーンとかあまりの中途半端な腰の引けた描写で、あれだったらドラマみたいになくてかまわないと思いました。

実の母役の森口遥子と取材を申し込む小池栄子が主演の二人以上に、そしてドラマ版以上にキャラが濃く印象的です。

原作の終盤の盛り上がりをちょっとずらして映画独自の締めになっていたのがかなり残念。 

ドラマだと最終回泣きっぱなしになるくらい感動的だったのに…