
今年のアカデミー賞がらみの作品は、ここまで全部期待はずれなものばっかり。
でも懲りずにまたアカデミー賞がらみの「ミルク」。
監督ガス・ヴァン・サント、主演ショーン・ペンというところに期待しつつも、題材には全く興味なし。
悪いクセでシネコンで立て続けに3本観るための時間調整のため、来ちゃいました。
お客さん10人もいなかったけど、すごくいい映画でした。
これだけで今日映画館に来たかいありました。
カミングアウトしているゲイのガス・ヴァン・サントによる隠れゲイのビジネスマンが40歳にして、ゲイの権利の為に立ち上がり政治運動を始め、やがて非業の最期をとげる物語。
ガス・ヴァン・サントは、アート系傑作も多いけど、一般映画を作ってもテクニシャンです。
今回は70年代の空気を見事に再現しながら、骨太な政治の物語とマイノリティの愛まで描きます。
テンポもいいし、実録的映像の使い方も上手く違和感なく見せてくれます。
「チェ」のソダーバーグとは大違いです。
また役者もみんなすごい。
ミルク役のショーン・ペンは、言うまでもないけど、その恋人役に若手メジャー系俳優、ジェームズ・フランコやエミール・ハーシュが、ショーン・ペンと同等に渡り合ってます。
さらにミルクと反目しあうようになるホワイト役のジョシュ・ブローリンが見事。
その存在感に圧倒されつつ、エンディングに本物の写真が出るとそのウリふたつぶりにびっくり。
ジョシュ・ブローリンが出ている映画は、当りが多い気がする。
今のところ、今年のアカデミーがらみで唯一の当り作品です。