完璧な40分1 ダメ人間のケータイ小説もどき | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

全裸の女性をハイティーンの男女数人が取り囲んでいる。

彼らは女性をじっと見つめながら、せわしなく手を動かし続ける。

15分に1度、タイマーが鳴ると彼らの手が止まる。


18歳、

まだ童貞のボクも全裸の女性を見つめる1人だった。



ボクらは美大の受験を控えた高校生。



人体の骨格を掴むため、
モデルは全裸で15分おきに様々なポーズをとり、ボクらはそれを必死にデッサンしていた。



若い女性の裸が目の前にありながら、平静でいられることが自分でも不思議だった。

しかし、その隣では密かに思いを寄せる女の子がデッサンしていたことを思うと、恋愛が色欲に勝っていたのかもしれない。



結局ボクは受験に失敗し、彼女はしっかり志望校に受かった。



それでも絵を描くことは、いろんなことを教えてくれたいい経験だったと思っている。



例えば、
言葉がなくても気持ちは伝わるということ。



ボクらは同じモチーフを描き続けるうち、それぞれが描きながら考えていることがわかるようになった。



描き終わった絵をみんなで一枚ずつ講評していく。

みんなが絵を見て感じたことをいう。

描きながら意識したことが見事にいい当てられた。

逆に自分の感じたことも、彼らの想いと同じだった。



同じ方向に進むみんなの意識は、どんどん同調していっていた。



あのときの
真っ直ぐな自分が、街で1・2を争う激安フーゾク店でよみがえった。



ななちゃんがボクのトリガーだった。

彼女からの
「きょうのおことば」



天才は1%の才能と

99%の努力である



新たな快楽の境地を見せられた後に彼女から贈られたこの言葉。



本当の偉人の言葉とはやや違っているらしいが、ボクにとってはこの言葉であったからこそ響いた。



彼女と共に達する頂点を思い描きながら1時間コースをプレイする。



自分が気持ちいいから、
相手にも感じてもらいたい。



ねるとんパーティーで出会った子たちに対して、そんな気持ちを感じる余裕もなかったボクが、この境地を迎えたのは、その相手がななちゃんだったからだ。