昔買ったレーザーディスクのソフトで10数年ぶりにオリジナル版の「櫻の園」を観ました。
さすがに今観ると古いかなと思いながら観始めましたが・・・
頭から最後までダレることなくずーっと面白い映画でした。
衣装や髪形に時代を感じながらも、それが作品のクオリティに影響することは一切なし。
女子校の創立記念日の伝統行事、演劇部による「櫻の園」公演。
その開演2時間ちょっと前から物語は始まる。
部室に徐々にに集まる部員たち。
彼女たちの話題の中心は前夜に起こった演劇部員の補導事件。
彼女が「櫻の園」の重要なキャストでもあったため、公演中止の危機に!
伝統の「櫻の園」公演は、どうなる!?
という不安な状況のなか公演に向けてスタンバイをする部員たち。
物語の中心になるのは演劇部長志水と舞台の主演をはる倉田、そして補導された杉山の3年生たち。
しかも杉山は志水を想い、志水は倉田を想いという3角関係がほのかに描かれます。
原作では、独立したエピソードをほぼリアルタイムですすむ2時間の中にきちんと盛り込み、さりげなく見せる。
舞台劇のようなアプローチで、構成されていますが、こんなに大胆な試みをしながら、違和感なく映画として成立させている作品は、なかなかないと思います。
こんなに傑作なのに、現在あまり語られることがないのがとても残念。
今回の再映画化にあわせてDVDが再発売されないのはなぜなのか?