櫻の園(1990) | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

昔買ったレーザーディスクのソフトで10数年ぶりにオリジナル版の「櫻の園」を観ました。

さすがに今観ると古いかなと思いながら観始めましたが・・・

頭から最後までダレることなくずーっと面白い映画でした。

衣装や髪形に時代を感じながらも、それが作品のクオリティに影響することは一切なし。

女子校の創立記念日の伝統行事、演劇部による「櫻の園」公演。

その開演2時間ちょっと前から物語は始まる。

部室に徐々にに集まる部員たち。
彼女たちの話題の中心は前夜に起こった演劇部員の補導事件。
彼女が「櫻の園」の重要なキャストでもあったため、公演中止の危機に!

伝統の「櫻の園」公演は、どうなる!?

という不安な状況のなか公演に向けてスタンバイをする部員たち。

物語の中心になるのは演劇部長志水と舞台の主演をはる倉田、そして補導された杉山の3年生たち。

しかも杉山は志水を想い、志水は倉田を想いという3角関係がほのかに描かれます。

原作では、独立したエピソードをほぼリアルタイムですすむ2時間の中にきちんと盛り込み、さりげなく見せる。

舞台劇のようなアプローチで、構成されていますが、こんなに大胆な試みをしながら、違和感なく映画として成立させている作品は、なかなかないと思います。

こんなに傑作なのに、現在あまり語られることがないのがとても残念。

今回の再映画化にあわせてDVDが再発売されないのはなぜなのか?