クイズ -どの出版社のシンボルマーク・ロゴマーク?- (文庫・新書編) | れぽれろのブログ

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我が家には本がたくさんあります。
自分は普段はあまり出版社のシンボルマークやロゴマークなどを気にすることはありませんが、最近本棚を整理していると、多くの出版社は本にシンボルマークを印刷しており、同じ出版社でも文庫・新書等のシリーズによってシンボルマークを使い分けていることも多いということに気付きました。


ということで、いきなりクイズです(笑)。
以下のNo.1~15のそれぞれのシンボルマーク(or ロゴマーク)は、どの出版社のどのシリーズのものか、お分かりでしょうか?

我が家には文庫と新書が多く、これらはすべて家にあった文庫と新書に印刷されていたシンボルマークを撮影したものです。こうやって並べてみると、ずいぶんいろんなマークがあることに気付かされます。
今回は代表として15種類のシンボルマークをチョイス。
自分はたぶん予備知識なしで問われると、1つか2つくらいしか答えられないと思います。本好きの方で、これを3つ4つでも答えられる方はなかなかすごいのではないかと思います。

全部分かる方は、果たしていらっしゃるのでしょうか?(出版関係の仕事をされている方は分かるのかな?)
お暇な方は考えてみてください。


以下、答え合わせです。



1.



こちらは岩波書店(岩波文庫など)のシンボルマークです。


これは割と有名なのではないかと思います。
岩波文庫の場合、表紙の左下にこのシンボルマークがあります。ミレーの有名な絵画「種まく人」がデザインされたマークです。
岩波書店の創業者、岩波茂雄は長野県の農家の出身で、晴耕雨読の田園生活と労働を重視したため、農村を描いたフランスの画家ミレーのデザインが採用されているのだそうです。


ちなみに岩波文庫の場合、本の内側の扉には「岩波」と書かれた壺がデザインされています。




2.



こちらは岩波新書(旧版)のシンボルマークです。




同じ岩波書店でも、岩波新書はまたシンボルマークが異なります。
岩波新書は時代により赤版・青版・黄版と違いがありますが、新赤版の1000番以下の場合、この鳥の首が付いた謎のランプがデザインされています。

このランプは古代遺跡からの出土品がモデルとされているのだとか。なかなか怪しげなデザインで、良い感じです。



3.



こちらは岩波新書(新版)のシンボルマークです。




続いても岩波新書です。
新赤版の1001番以降は、右上に息を吐く人物のシンボルマークが描かれています。現在出版されている岩波新書は、すべてこのマークになっています。
妖怪「ふっけしばばあ」かと一瞬思ってしまいますが、そうではなく、ギリシアの風神をイメージしたデザインなのだそうです。
ちなみに、岩波新書の背表紙には、オリーブの葉と実をデザインしたマークが使われています。



4.



こちらは中公文庫のシンボルマークです。


続いては中央公論新社です。
中公文庫の扉には、お腹に人間の顔の書かれた怪しげな鳥がデザインされています。(よく見ると小さく「Chuo Koron」と書かれているロゴマークになっているので、クイズになっていない 笑。)
この鳥は鳩なのだそうです。


カバー内側の表紙にはまた別の巨大な怪鳥が。


 

ちなみにカバー表紙にはシンボルマークはデザインされていません。




5.



こちらは中公新書のシンボルマークです。


こちらも中央公論新社。中公新書の扉には謎の人物の横顔が描かれています。
「1886」は中央公論の創業の年。その下の文章はラテン語とのことで、調べてみると「Quod Petis hic est」とのこと。googleで翻訳してみると「これが求められていることです」という意味になります。あなたの求める本がここにあるという意味なのかな。


ちなみに、カバー表紙の中央にはまた別のシンボルマークがあります。

金色の謎のマークです。
妖怪「あまめはぎ」かと一瞬思ってしまいましたが、もちろん違うと思います。仮面っぽく見えるマークですが、こちらは調べてもよく分かりませんでした。



6.



こちらは講談社文庫のシンボルマークです。




続いては講談社です。
講談社文庫のカバー表紙の右下、内側表紙の中央上に、葉っぱのシンボルマークがあります。
岩波や中公の怪しげな(?)マークと比べると、ずいぶんすっきりしたポップなデザインです。



7.



こちらは講談社学術文庫のシンボルマークです。




同じ講談社でも、講談社学術文庫・講談社文芸文庫は、またシンボルマークが異なります。
こちらは講談社学術文庫、カバー表紙の右下、内側表紙の中央下に鳥のマークが見られます。これはトキをデザインしており、古代エジプトで知識や学問の神とされたトト神を表しているのだそうです。



8.



こちらは講談社文芸文庫のシンボルマークです。




同じく講談社、こちらは文芸文庫。同じくカバー表紙の右下、内側表紙の中央に鳥のマークが見えます。
学術文庫の方はちゃんとマークの由来が本の中に書かれていましたが、文芸文庫の方は書かれていません。この鳥が何の鳥のシルエットなのかは謎です。



9.



こちらは筑摩書房(ちくま学芸文庫・ちくま新書など)のシンボルマークです。


続いては筑摩書房です。
ちくま学芸文庫の扉の中央に小さくシンボルマークが見えます。(これもよく見ると小さく「CHIKUMA」と書かれているロゴマークになっていますので、やはりクイズになっていません 笑。)
ちくま新書にもこれと同じシンボルマークが使われています。
この筑摩書房のマークは鷹をデザインしたものなのだそうですが、なかなか鷹にはみえません 笑。


なお、ちくま学芸文庫はカバー表紙にはシンボルマークは見当たりません。




10.



こちらはちくま文庫のシンボルマークです。


同じ筑摩書房でも、ちくま文庫はまたシンボルマークが違います。
扉の中央に小さな顔が見えます。これは太陽を表しているのだそうです。
ちなみに、ちくま文庫でも古典シリーズはまたシンボルマークが異なり、こちらは月を表したマークになっています。


ちくま文庫もカバー表紙にはシンボルマークはありません。


講談社や筑摩書房は全体的にシンボルマークが小さめで、主張しないマークになっています。



11.



こちらは新潮文庫のシンボルマークです。


新潮文庫のシンボルマークは葡萄です。内側表紙の中央に大きく描かれています。
上側の葡萄のつるは曲線状のデザインで、「S」と「L」を表しており、「Shinchou Library」の意味なのだそうです。綺麗ですっきりしたシンボルマークで、デザイン面ではなかなか良いのではないかと思います。


新潮文庫もカバー表紙にはシンボルマークはなし。




12.



こちらは角川書店(角川文庫など)のシンボルマークです。


続いては角川です。
角川文庫のカバー内側表紙の真ん中に、小さく鳳凰のシンボルマークがあります。奈良県明日香村で出土した遺物に刻まれた鳳凰から採用されたデザインなのだとか。
角川文庫はもともと飛鳥新書というシリーズを出版していたため、飛鳥=明日香=鳳凰という繋がりなのだそうです。カバー内側表紙は鳳凰の如く燃えるような赤が印象的。


角川文庫もカバーにはシンボルマークはありません。


意外とカバーにはマークを表示しない出版社も多いようです。



13.



こちらは河出文庫(河出書房新社)のシンボルマークです。


河出書房新社はフクロウをシンボルマークとしていますが、シリーズによってフクロウの形態は様々です。こちらは一般的な河出文庫のシンボルマーク。
河出新書などの他のシリーズはまた別の形態のフクロウが採用されています。
河出には「ふくろうの本」というシリーズもあり、全般にフクロウ推しです。


カバー表紙にはやはりシンボルマークはありませんが、


背表紙には下の方にシンボルマークがあります。




14.



こちらは文春新書のシンボルマークです。


カバー表紙中央に花のシンボルマークが描かれています。何の花なのかは不明です。

文春新書は上の筑摩書房などとは異なり、カバーにはシンボルマークがありますが本の中にはマークはないというパターンです。



15.



ラストです。
こちらは光文社新書のシンボルマークです。




葉っぱのついた帽子をかぶった横向きの人物が描かれています。シンプルで可愛げのあるデザインで、個人的にお気に入りのシンボルマークです。
光文社のページによるとこのキャラは「アランちゃん」という名前らしく、このマークをデザインした香港のデザイナー、アラン・チャンの名前が採用されているのだそうです。



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ということで、全15シリーズのシンボルマークをまとめてみました。
個人的には光文社新書、新潮文庫あたりがお気に入りですが、岩波新書旧版や中公文庫の怪しげなシンボルマークもなかなか魅力的に感じます。
古くからあるものや新しいもの、出版社の考えが反映されているもの、シンプルなものからゴテゴテしたものまで、こうやって並べてみると様々で、面白いですね。