2018年カレンダー&くまモンの話 | れぽれろのブログ

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美術、音楽、本、日常のことなどを思いつくままに・・・。

2018年、あけましておめでとうございます。
当ブログにアクセスして頂いている皆様、本年もよろしくお願い致します。

当ブログでは毎年、卓上カレンダーの記事を書くのが恒例になっています。
過去、西洋美術のオリジナルカレンダーを作成したり、国立美術館のカスタムカレンダーを注文したりする記事を書きました。

 

過去はすべて美術に関係した卓上カレンダーでしたが、今年はこんな卓上カレンダー(市販品)を購入しました。



熊本県のゆるキャラ、くまモンの卓上カレンダーです。

1月はこんな感じ。


このカレンダーは、くまモンが海外に出張したときの写真で構成されています。
1月はフランス、ボルドーでの写真となっています。
ボルドーの寺院の中での撮影でしょうか。

カレンダーの中のくまモンの様子。





可愛らしいですね。

今年はこの卓上カレンダーで1年を過ごしたいと思います。


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くまモンは言わずと知れた熊本県のゆるキャラ、2011年3月の九州新幹線の開通に伴い誕生したという設定のキャラクタです。
第1回ゆるキャラグランプリで優勝、知名度は高く、ゆるキャラといえば多くの方がまず思い出すキャラクタだと思います。

自分がくまモンファンになったのは、2年前の熊本地震がきっかけです。
当時「くまモン頑張れ絵」ということで、多くの作家さんがくまモンのイラストで熊本県を応援されていました。
これをきっかけにあれこれ調べていると、YouTubeに大量のくまモンの動画がアップされていることに気づき、これをぼんやり見ていると、くまモンの動きやしぐさが可愛らしく、見ているうちにだんだんとはまり、気が付くと毎日くまモン動画を見ているという状況になりました。

哲学者の東浩紀さんは昨今のネコ動画ブームについて、哲学・思想について考える人間であっても疲れてくるとエンターテインメントやポルノを鑑賞する、もっと披露してくるとエンターテインメントやポルノすら鑑賞できなくなり、ネコ動画とか動物をボケっと鑑賞するようになる、という旨の発言をされておられます。
これはなかなか納得的な言葉で、自分の場合はネコ動画の代わりにくまモン動画、1日の終わりの疲労時にくまモンの動きをボケっとみるのが心地よく、一時期くまモン鑑賞が日課になっておりました。

YouTubeには、熊本県のテレビ番組「英太郎のかたらんね」の中の1コーナー、「出張!くまモンとかたらんね」の動画が、2013年4月放送分からすべての回がアップされています。
上記のような流れから、自分は2年前からおよそ1年くらいかけて、「出張!くまモンとかたらんね」の2013年4月から少なくとも2016年分までの約4年分を全回(←!)鑑賞しました(笑)。
(最近は少し鑑賞することが少なくなり、2017年分の鑑賞はとびとびです。)


くまモンの魅力はどこにあるのでしょうか?
様々な点から分析可能だと思いますが、自分はやはり何といっても着ぐるみの出来の良さが大きいと思います。
着ぐるみというと、重くて暑い、動きにくい、中の人に負担がかかる構造、という印象があります。
くまモンの着ぐるみは、お腹ぼってりの丸っこい可愛らしい造形を維持しながら、それでいて意外と動きの制約は少なく、とくに腰から下はそれなりに風通しがよく、中の人がかなり動きやすい構造になっているのではないかと思います。
このデザインが秀逸です。
この着ぐるみの構造により、ポージングの制約が少なく、可愛い決めポーズをとることができます。
さらにはキレのある動きで体操したり、自転車にも乗れる、バンジージャンプもできる、かなりアクロバティックな行動をとることができます。
丸っこい体系のまま、楽しく動く様子がくまモンの1番の魅力だと感じます。
(着ぐるみの中の空洞を利用した「細くなる」という芸もあります 笑。)
その他、手先もそれなりに中の人の指が自由に動かせられる構造になっているようで、くまモンは書初めをしたり、ピアノを弾いたり、魚を三枚におろしたりといったこともできます。

イラストのくまモンも可愛らしいですが、着ぐるみの魅力はそれを上回ります。
なので、くまモンのカレンダーはイラスト版も販売されていますが、自分は着ぐるみ版のカレンダーを購入しました。

ちなみに自分の生まれ故郷、大阪府河内長野市にはモックルくんというゆるキャラがいます。
これは90年代に登場したキャラクタで、くまモンよりずっと先輩、まだゆるキャラという言葉もなかった時代から活躍しています。
・参考リンク
 http://www.city.kawachinagano.lg.jp/about/kyarakuta_mokkuru.html
このモックルくんもイラストではくまモンに負けず劣らず可愛らしいと思いますが、モックルくんは着ぐるみになると、なんとなく可愛げが低下するように感じます。(上記リンクの下の方の写真参照。)
2頭身の造形が3頭身に引き伸ばされ、動きにも制約あり、額の中央に空気穴があるのも違和感(くまモンの空気穴は頭頂部にあるので目立たない)、モックルと比較すると、くまモンの着ぐるみが非常によくできているのが分かります。


その他のくまモンの魅力。
1つはそのやんちゃぶり、横暴ぶり(笑)です。
「くまモンとかたらんね」においても、とにかくくまモンは番組の進行を無視して暴れまわります。
番組で紹介される商品や設備にちょっかいを出す、登場する他のゆるキャラと諍いを起こす、同番組キャストの緒方由美さん(おがっち)をどついたりアツアツの食べ物を無理やり食べさせる、同じくキャストの太田弘樹さんを水中に叩き落すのも恒例行事。
中の人のサービス精神からくるこの暴走ぶりが非常に楽しく、見ていて飽きません。
もう1つはコスプレの可愛らしさです。
くまモンは季節や行事に合わせて、様々な衣装を見に着けますが、この衣装が意外とどれも似合っており、可愛げを増幅させます。
可愛いコスプレのまま暴走するくまモンもまた楽しいものです。

このくまモンのやんちゃぶり、主観ですが2015年以降、とくに震災以降はやや大人しくなっているように思います。
以下は推測。(真実は不明です。)
くまモンは1体ではなく、おそらく中の人は複数人います。
着ぐるみも1着ではなく、よく観察すると着ぐるみの細部が異なっており、複数体あることが分かります(口の形の違いが分かりやすい)。
そして同じ着ぐるみの中には、たぶん同じ人が入っているのではないかと思います。
で、一番やんちゃなくまモンは、おそらく2015年のどこかで引退しています。
なので、これからくまモン動画を見てみようという人(笑)がもしいたら、2012~2014年ごろの動画がお勧めです。(もちろんこの時期でも違うくまモンが登場することもあります。)


くまモン動画を見ることによる生活の変化。
くまモンのロゴが付けられた商品を見ると、つい買ってしまうようになります(笑)。
くまモンロゴ付きの果物(熊本県産)を見つけては買い、くまモンのお菓子(ポッキーなどがタイアップしています)を見つけては買い、iTunesで「くまモンもん」(森高千里)もついダウンロード。(くまモンの音楽と言えば「くまもとサプライズ」が有名ですが、KAN作曲の「くまモンもん」の方がお気に入り。)
そして今回の卓上カレンダーも、梅田の阪急百貨店のくまモンフェアで購入したものです。
くまモンを見たらつい買ってしまうというすり込み(笑)、くまモンが熊本県の経済効果にいかに貢献しているかを、身をもって体験することになりました。


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動画を2件貼っておきます。


・出張!くまモンとかたらんね 2014年1月30日放送分

 

 

画面脇も含め、くまモンの動きに注目。
登場と同時にいきなり暴れる、出演者に触る、植木を持って踊る、台車を押して暴れる、キンカンをむしる、そのキンカンをおがっちに食わせる、子供を抱き上げて振り回す、等、くまモンの暴走ぶりが楽しめます(笑)。
カメラが回っていないところでも、くまモンは何かをやらかしているらしく、キャストの笑い声が聞こえてくる場面も(笑)。


・日本外国特派員協会 記者会見

 


外国人記者向けのくまモンの記者会見、くまモンの概要がよく分かる動画です。
熊本県職員の説明により、くまモンがかなり戦略的に生み出されたこと、くまモンが熊本の経済効果・県民幸福度向上に貢献していることがよく分かります。
くまモンの行動規範は「サプライズ」であるとのこと。
一連の暴走&やんちゃも、行動規範から来るくまモンなりの解釈だったのですね。