シャイー&ルツェルン祝祭管弦楽団 | れぽれろのブログ

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10月9日の月曜日(祝日)、京都コンサートホールに行ってきました。
この日は非常に暖かい日で、前の週のうすら寒さはどこへやら。
阪急京都線に乗って烏丸駅を下車、この日は京都も暖かかったです。
少し時間があったので2年半ぶりに六角堂を訪れ、少し京都の町をウロウロした後、地下鉄烏丸線で北山に向かいました。

この日は毎年恒例の「京都の秋 音楽祭」の一環での、リカルド・シャイー指揮、ルツェルン祝祭管弦楽団の演奏会。
シャイーの実演鑑賞は自分はこれで3度目です。
2009年のマーラー1番、及び2014年のマーラー7番に続いての鑑賞となります。
過去2度のマーラーはいずれもライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団との公演で、とくに2014年のマーラー7番が素敵でした。
今回シャイーはルツェルン祝祭管弦楽団を指揮します。
ルツェルンを鑑賞するのは自分は初めてです。

プログラムは全3曲。
 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
 交響詩「死と変容」
 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」
3曲ともR・シュトラウスのプログラムです。
シュトラウスはうまいオケで聴くと非常に楽しい音楽ですので、期待が膨らみます。

この日は客席はガラガラ、えらく空いています。
お客さんの入りは50%もなかったかもしれません。
2階P席(値段が安い)はほぼ埋まっていますが、1階席も3階席も空席たくさん。
この3連休は近畿地区での海外オケ演奏会が重なっていますので、ロンドンフィル(フェスティバルホール)やチェコフィル(ザ・シンフォニーホール)にお客さんが流れてしまっているのかもしれません。
自分は3階席後ろで鑑賞(京コンの場合自分はだいたいこの席を取ります)しましたが、周りに全く人がおらず、ゆったりと鑑賞することができました。
客の入りが少ないと収益は大丈夫なのかとか、余計な心配をしてしまいますが、個人的には空いている方が非常に嬉しいです。

シャイー&ルツェルンは総じてゴージャスでありかつ安定感のある演奏でした。
緩急が変化する部分や、盛り上がった後曲調が変わる部分など、かっこよさとともに安定感を感じます。
過剰な味付けや大胆な解釈は少なめ。
かっこよくありながらどことなく淡々として綺麗にまとまっている感じがするのは、シャイーの持ち味なのかもしれません。

前半プログラムは「ツァラトゥストラはかく語りき」。
出だしからオルガンがゴージャス感を漂わせ、導入部の大音響の後「現世に背を向ける人々について」の美メロへの切り替えが素敵。
とくに後半が素晴らしく、「病より癒え行く者」の盛り上がりから諧謔部分を経て「舞踏の歌」に至る部分など、ハッとする曲調の変化を楽しめました。
「舞踏の歌」も心地よく鑑賞。

後半プログラムは「死と変容」及び「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」。
「死と変容」は弱音部分も良いですが、戦いの部分の方が聴きごたえがありました。
後半の綺麗なメロディで盛り上がりつつ、不穏な心臓のリズムが挿入される部分が楽しい。
「ティル」もメリハリのある演奏、冒頭からホルンが素敵です。
全般にホルンが大活躍。
こうやって改めて3曲並べて聴いてみると、「ティル」の楽曲の演奏効果の高さにびっくりします。
曲調が変わりながら各楽器の音色を楽しめる、劇的であり、何だかんだでこの曲が一番盛り上がります(笑)。
ティルがしばり首にあって、おしまい。

アンコールはなんと歌劇「サロメ」より「7つのヴェールの踊り」でした。
なかなかへヴィーなアンコールです。
フルート大活躍、音色の変化も楽しめます。
舞曲がくるくると変わり、シャイーがかっこよくオケをコントロール。
素敵な演奏で、やっぱ「サロメ」はええ曲やわと、改めて感じます。
サロメの踊りと脱衣演出が欲しくなりますが、さすがに演奏会形式ではそこまでは望めません 笑。

ということで拍手喝采。
京コンの海外オケではなぜか恒例の「オケがはけてから指揮者が戻ってきて拍手を受ける」パターンを今回も踏襲。
楽しい演奏会でした。
「京都の秋 音楽祭」は来月にもう1度、マーラーを聴きに京都コンサートホールを訪れる予定です。