本好きへの100の質問 その1 | れぽれろのブログ

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美術、音楽、本、日常のことなどを思いつくままに・・・。

少し前に、クラシック音楽ファンへの100の質問に答えてみました。
今回のその続編、前回の記事のあと「本好きへの100の質問」という
質問集があることを、ある方の記事で知りましたので、
自分もこの質問に対して答えてみようと思います。

この質問集、タイトルは「本好き」となっていますが
基本的に小説などの文芸作品を前提にして作られている質問のようです。
自分はどちらかというと文芸作品以外のものを読むことが多いので
少し質問と回答にずれが発生しているかもしれませんが、
あまり気にせず、思うところを答えてみました。

以下、前半の50問と回答です。
長いですが、ご興味のある方はどうぞ。


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001. 本が好きな理由を教えてください。

知識が増え見識が広がるということが主な理由になると思いますが、
単に活字を追うことそれ自体が快楽であるという面もあったりします。


002. 記憶に残っているなかで、最も幼い頃に読んだ本は?

ディック・ブルーナ「うさこちゃん」「ようちえん」「じのないえほん」
「ピーンちゃんとフィーンちゃん」
五味太郎「あかのほん」「くろのほん」「しろのほん」
このあたりのどれかだと思います。


003. はじめて自分のお小遣いで買った本を教えてください。
また、その本を今でも持っていますか?

覚えてないです。
両親に買ってもらった本とお小遣いで買った本の違いの記憶が曖昧です。


004. 購読している雑誌はありますか?

大学生のころは
「噂の真相」(ゴシップ系左翼雑誌)
「ダ・ヴィンチ」(本好きのための雑誌)
「テレビブロス」(サブカル系テレビ雑誌)
を毎号買ってました。
その後「噂の真相」は廃刊になり、
「ダ・ヴィンチ」はやや女性誌っぽくなってから買わなくなり、
「テレビブロス」はオタク色が強くなったのとテレビを見なくなったので
買わなくなりました。
現在雑誌は購読していません。


005. 贔屓にしているWEBマガジンはありますか?

ありません。


006. 書籍関連のHPの、どんなところに注目しますか(書評や感想文等々)。

書籍一覧などをリスト的に活用しています。
興味のありそうなタイトルの本は内容をネットの他のページで調べてから
購入したりします。


007. 最近読んだ本のタイトルを教えてください。

「戦争の世界史・上」(ウィリアム・H・マクニール、中公文庫)


008. ベストセラーは読む方ですか?

めったに読みませんが、最近読んだ「アドラー心理学入門」
(岸見一郎、ベスト新書)は、何だかすごく売れているようです。


009. 御贔屓は、どんなジャンルですか?

歴史・社会・文化・宗教といったジャンルの本を読むことが多いです。


010. あなたは活字中毒ですか?(それはどんな症状としてあらわれていますか)

中毒かどうかは不明ですが、ほぼ週に1冊くらいのペースで
何らかの本を読んでいます。


011. 月に何冊くらい読みますか?

4冊程度。
以前はもっと手当たり次第に読み散らかしていましたが、
ここ2年くらいは月4~5冊を比較的きっちりと読むようにしています。


012. あなたは本の奥付をちゃんとチェックしますか?
するとしたら、その理由は?

チェックします。
本は出版されたときの時代背景を絶対に反映しています。
なので、いつ出版された本かというのは、その本を理解するために
非常に重要だと考えます。


013. 文庫本の値段として「高い」と感じるのは幾らからですか?

とくに気にしていません。
自分は文庫本の一番の魅力はサイズだと思っています。
文庫=安くないといけない、という考えは持っていません。
(高いとか言ってたら、講談社文芸文庫や講談社学術文庫は買えない。)


014. 本は書店で買いますか、それとも図書館で借りますか。その理由は?

昔は図書館利用派でした。
今は書店もしくはネットで購入しています。
現在はお金に余裕ができたので、出版文化のためにわずかでも協力したいと
いうこともあり、図書館や古本屋は利用せず、本はできるだけ新品を
買うようにしています。


015. あなたは「たくさん本を買うけど積ん読派」
それとも「買った本はみんな目を通す派」のどちらでしょう?

以前は前者で、積読本はまだ多数あります。
ただし、昨年末に読書メーターに登録してからは、
1冊1冊を読み切るようにしているので、最近は後者です。


016. 行き場に困ったとき、とりあえず書店に入ってしまう。
そんなことはありますか?

あります。
待ち合わせ前の時間つぶしや、電車の待ち時間などは
8割方書店にいます。


017. 馴染みの書店・図書館に、なにかひとこと。

よく利用するのは難波のジュンク堂書店です。
とくに2階の一番西側の列に、新書・選書の棚と、
岩波・中公・ちくま・講談社の各文庫の棚がずらりとそろって充実しており、
自分の読む本は8割方この棚の列でカバーできるので、非常に嬉しいです。


018. あなたは蔵書をどれくらい持っていますか。

数えるのは難しいですが、600~700冊くらいかな・・・。


019. 自分の本棚について、簡単に説明してください
(“小説が多く実用書が少ない”等々)。

ほぼ文庫と新書で埋められています。
棚は出版社ごとに分類して並べています。
本棚は基本的に1年間は本の並びは変更せず、年末にその年に読んだ本を
分類して棚に追加するようにしています。
このときに必要に応じて棚を増築しています。
(なので、読み終わった本は、年末までは"その辺"に置かれています・・・)


020. 本棚は整理整頓されていますか。

わりとまとまっていると思います。
その理由は上記のとおり、1年間は本棚の並びを一切変更しないので、
整理されているように見えます。


021. 既に持っている本を、誤って買ってしまったことはありますか?
その本のタイトルは。

「悲しいだけ・欣求浄土」(藤枝静男、講談社文芸文庫)
なぜか本棚に2冊並んでいます・・・笑。

なぜか2冊



022. 気に入った本は、自分の手元に置かないと気が済まない?

できれば手元に置いておきたいです。
学生時代に図書館で読んだ本を、あとになって買いなおすこともあります。


023. 本に関することで、悩んでいることは?

特にないかな・・・。


024. 速読派と熟読派、あなたはどちらに該当しますか。

中間くらいだと思います。
「速読読み散らかし」の時期もありましたが、
最近はそれなりに腰を据えて読むようにしています。
しかし、1冊を何日もかけて丹念に読み解くというようなことはしていません。


025. 本を読んでいて分からない言葉があったとき、意味を調べますか?

その文脈での重要性にもよりますが、基本的にはその場ではあまり調べず
あとから思い出したときに調べたりします。


026. 本を読む場所で、お気に入りなのは?

お気に入りと言えばやっぱり自分の部屋でしょうか。
電車や喫茶店で読むことも多いので、基本的にどこでもOKなのですが・・・。


027. あなたは今、めったに読むことのない分厚い本を前にしています。
ところでこの本「すごくおもしろい」という、いつもは信頼できる情報を
得たはずなのに、最初の部分がやたらにつまらない。そんなときどうしますか?

読み続けます。
内容がつまらないと感じても、活字を追うことそれ自体が快楽だったりするので、
とくに苦痛であるとは感じないため。


028. 本を読むときに、同時になにかすることはありますか?
(例:お茶を飲む、おやつを食べる、音楽をかける)

メモを取る。
付箋を貼る。
これ以外はほぼ何もしません。


029. 読みかけの本にはさむ栞は、何を使っていますか?

最近はこれ。

ブックマーカー2

欠点は外出したときは少し重く感じるので、
外に持っていく場合は、本を買ったときについてくる栞をそのまま使っています。


030. ブックフェアのグッズを新たに誕生させることになりました。
あなたが「これなら欲しい」と思うグッズを考えてください。

グッズ関係はあまり興味はないです。


031. 無人島1冊だけ本を持っていけるとしたら、何を選びますか。

できるだけ分厚い百科事典か辞書の類。


032. 今、最も欲しい本のタイトルをどうぞ。

高見順の詩以外の文芸作品を復刊してほしいです。


033. 生涯の1冊、そんな存在の本はありますか?
その本のタイトルは。

難しい質問ですが・・・
学生時代に「現代社会の理論」(見田宗介、岩波新書)を読み、
社会というものをどう考えればよいかがおぼろげながら掴めたように感じました。
これ以降、社会についての本をたくさん読むようになりました。


034. 何度も読み返してしまうような本はありますか?
その本のタイトルは。

「そして誰もいなくなった」(アガサ・クリスティ、ハヤカワ文庫)
中学1年のときに読んで、中高生のときにたぶん7,8回くらい回読んだ気がします。
あまりにも鮮やかな物語だったため、自分はこれ以降逆に
「優れた物語的構築性」といったものへの興味が薄れ、
現在はミステリなど全然読まなくなってしまいました。


035. おきにいりの作家ベスト5と、理由をお願いします。

作家という枠にこだわらず、10代から20代のころによく読んでいて、
影響度の大きい文筆家の方を5人挙げてみます。

・筒井康隆
中高生のころに死ぬほど読みました。
60~70年代のスラップスティックやSF的な作品から入りましたが、
その後70~80年代のいわゆる虚構文学といったものもたくさん読み、
文芸というものの可能性と面白さに目覚めた作家さんです。

・中島らも
この方も中高生のころにたくさん読みました。
小説作品はあまり読みませんでしたが、エッセイがすごく気に入って
何度も読んだ記憶があります。
自分はらもさんの作品の背後に
「この世界は腐っているが、それでも笑って生きていくしかない」
という意志を感じ、これが中高生のころの自分にすごくしっくり来たのだと
振り返って思います。

・植島啓司
元関西大学のギャンブル狂(?)の宗教学の教授です。
読んだ本の数こそ多くないですが、「生きるってこういうことなのだ」ということを
直感的に文章からあれこれと感じ取ったことを記憶しています。
「偶然のチカラ」「生きるチカラ」(集英社新書)は大人になってから読みましたが
どちらも素敵な本だと思います。

・宮台真司
首都大学東京の元テレクラマニア(?)の社会学教授。
現在もアクティブに活動しておられる有名な方なので
ご存じの方も多いと思います。
90年代末に「ダ・ヴィンチ」という雑誌に連載していた人生相談のような
文章を読んで、「生きるってこういうことなのだ」ということを自分は
論理的に納得することができるようになりました。
(この文章は「自由な新世紀・不自由なあなた」(メディアファクトリー)という本に
まとめられています。)
以降ずっと宮台さんのファンで、その後とくに「<世界>はそもそもデタラメである」
(メディアファクトリー、これも「ダ・ヴィンチ」の連載)

<社会>と<世界>の濃密な思考をまとめた文章が一番気に入っています。

・高階秀爾
言わずと知れた超有名美術研究家、東京大学の名誉教授。
自分が多少なりとも美術史のことを知っているのも、
すべてこの方の書籍のおかげです。


036. 好きなシリーズ物はありますか?

シリーズ物って全然読んでいません。


037. 本を選ぶときのポイントを教えてください。

「これは読んで面白いだろうな」という本のみを読むようにしています。
長年本を読んでいると結構本のチョイス時のカンが冴えてくるのか
最近は読んだ本はほぼ9割方面白いです。
(全然質問の回答になってない気もしますが、要するにカンということです 笑)


038. 翻訳小説は、訳者にこだわる方ですか。

翻訳のことは分からないので、どの訳者が優れている等は
自分にはよくわかりません。


039. 信頼できる書評家は誰ですか?

書評家って全然名前が思いつかない・・・。


040. 絵本は好きですか?
好きな方は、好きな絵本のタイトルを教えてください。

五味太郎さんの絵本は子供のころすごく好きでした。
上にもあげた「あかのほん」「くろのほん」「しろのほん」の他、
「ことばあそび」「さる・るるる」」「いっぽんばしわたる」
「うしろにいるのはだあれだ」、などなど。


041. 本は内容を先に読む方ですか、それとも、あとがきから読む方ですか?

内容から読みます。


042. 読みたいのに読めない本はありますか? その理由は。

何巻にも渡る長い本は躊躇してしまいます。
プルーストとか学生のころに読んでおけばよかったなと思ってます。
堀田善衛さんの「ゴヤ」(全四巻)も我が家にありますが、積読です(笑)。


043. ノンフィクション作品のおすすめを教えてください。

「苦界浄土」(石牟礼道子、講談社文庫)
言わずと知れたノンフィクションの超有名作品です。
作者自身が目にした事実をベースに綴られていることは確かですが
一部作者が想像で患者の心情を補足・代弁しているような部分も含め、
文芸作品としてのある種の幻想性と迫力も兼ね備えられています。


044. あなたの好きな恋愛小説を教えてください。

恋愛小説ってあんまり思いつかない(読んだ記憶がない)ですが、
強いてあげるなら、とにかく文章が素晴らしすぎる
「春琴抄」(谷崎潤一郎、新潮文庫)でしょうか。
もう1作あげるなら、「それから」(夏目漱石、新潮文庫)など、
近代日本でのロマン主義的恋愛の困難性が描かれているようで、
面白く読んだ記憶があります。
(「春琴抄」のような強度溢れる愛の世界は、
「それから」の時代では小ぶりな悲劇(喜劇ともいえる)にしかならない。)


045. 泣けてしまった本を教えてください。

見田宗介さんの「社会学入門」(岩波新書)など、泣けた記憶があります。
自分は文芸作品ではあまり泣いた記憶がありませんが、
学術的な本などで、論理的な考察の果てに、
生きていること、社会が存在するということの、
得も言われぬ不思議さ感じたりして涙ぐむことがあったりします。


046. 読んでいるだけで、アドレナリンが分泌されてくるような本は?

あんまり本にアドレナリン分泌を求めていませんが、
「ミザリー」(スティーヴン・キング、文春文庫)なんかドキドキした記憶があります。


047. もう2度と読みたくない本は、ありますか?

とくに思いつきません。


048. 良くも悪くも「やられた!」と思った本はありますか?

中学生の頃、北杜夫さんの「さびしい王様」(新潮社)を読んで
いくつもの前書きと後書きがあったり、カタカナだけの電報文のやり取りが
延々続いたりする文章を読んで、面白いなあと思ったのが一番近いかな・・・。


049. 読む前と読後感が違っていた(食わず嫌いだった)本は?

面白くないだろうなと思う本は最初から読まないので、
こういう経験は少ないです。
ちょっと違いますが、チェーホフの「かもめ」を舞台で見て印象がずいぶん
違ったので、やはり戯曲は舞台で見ないといけない気がします。


050. 子供にプレゼントしたい本のタイトルを教えてください。

子供さんの年齢や本好きの程度にもよるので難しいですが、
「世界史への扉」(樺山紘一、朝日新聞社)をお勧めしたいです。
この本は「週刊朝日百科 世界の歴史」の樺山さんの連載をまとめたもので、
自分は中学生のときにこの文章を読んで歴史が大好きになりました。
現在は講談社学術文庫で再販されているようです。


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ということで、後半へ続きます。