2014年も早くも半分が過ぎ去りました。
今年は午年ということで、年初に馬の描かれた絵を並べたことがありましたが、
今回は2014年後半戦突入記念ということで(?)その続編、
馬に乗った人たちの肖像を並べてみます。
・アルプス越えのナポレオン/ダヴィッド
乗馬と言って自分がまず思い出すのはこの絵です。
アルプスの山を越えイタリアに向かうナポレオン・ボナパルトの肖像、
躍動する馬、翻る赤マント、なんともかっこいいですね。
ナポレオンを英雄視、神格化したような絵です。
作者はフランス新古典主義の大家、ジャック・ルイ・ダヴィッドです。
この絵は自分は神戸市立博物館の特集展示で見たことがありますが、
サイズが非常に大きく、博物館の比較的狭い空間に展示されていたため、
見上げるように鑑賞した記憶があります。
馬の足とナポレオンの足が目の前にあったという印象が一番強いです(笑)。
・皇太子バルタサール・カルロス騎馬像/ベラスケス
個人的に一番好きな乗馬の絵は、
17世紀スペイン画家ベラスケスのこの作品です。
17世紀スペイン画家ベラスケスのこの作品です。
幼い子供が馬を平然と乗りこなしています。
現実的にはありそうにない状況ですし、さらに馬の前脚と後脚の長さのバランスも
よく見ると何だかおかしいですが、画面全体のバランスはすごく良い感じ。
よく見ると何だかおかしいですが、画面全体のバランスはすごく良い感じ。
何とも素敵な絵ですね。
・オリバーレス公・伯爵騎馬像/ベラスケス
ベラスケスからもう一枚。
こちらは斜め後ろから馬と人物を捉えた絵です。
ベラスケスならではの筆致、実物をみてみたいですね。
・突撃する近衛竜騎兵士官/ジェリコー
続いての後姿、軍人さんが軍刀片手に振り返っています。
作者はフランスロマン主義の画家ジェリコー。
これまた躍動感ある絵です。
上記の3枚もこの作品も、共通して馬は皆前脚を上げています。
乗馬の劇的なシーン=前脚を上げるということのようです。
・騎馬武者像(伝足利尊氏像)
日本の乗馬の作品といえば、この絵を思い出します。
長年足利尊氏像とされていた作品ですが、別人説もあるのだそうです。
京都国立博物館に所蔵されている絵、日本の肖像画の中では好きな作品です。
・泰西王侯騎馬図屏風
こちらは近世初期の作品で、日本画なのですが
当時の欧州との交流もあってか、洋風の趣のある作品となっています。
上側の左が神聖ローマ帝国皇帝、右がトルコのスルタン、
下側の左がロシアの王様、右がタタール王とのこと。
神戸市立博物館に所蔵されている作品です。
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以上、有名な乗馬作品を並べてみましたが、最後におまけ。
・アルプスを越えるナポレオン/ポール・ドラローシュ
ドラローシュはそれほど有名な画家ではありませんが(自分も詳しくは知りません)
このナポレオンを描いた作品は、上記のダヴィッドの作品とは対照的に
すごく現実感のある描写になっており、何だか逆に印象的です。
イタリアまでの長旅、マントを翻しながらアルプスを悠々と超えられるはずもなく、
きっと現実はこんな感じだったのでしょうね(笑)。