踊れないワルツ | れぽれろのブログ

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ワルツは3拍子の舞曲。
19世紀中盤以降のクラシック曲で取り上げられることの多い舞曲です。
ヨハン・シュトラウス父子のいくつかの作品などが有名ですが、
それ以外にロマン派の交響曲の舞曲楽章に取り上げられたりなど
たくさんの楽曲に登場します。

しかし・・・
本来ワルツは舞曲なのですが、演奏会などで取り上げられる鑑賞用の
ワルツの中には、何やら踊りにくそうな曲もたくさんあります。
そんな「踊れないワルツ」をいくつか並べてみます。
どれも面白い曲ですので、ご存じない方でお暇な方は聴いてみてください。


・「幻想交響曲」より2楽章/ベルリオーズ

ワルツがはじめて交響曲に取り上げられたのが
この「幻想交響曲」であると言われています。
初めの方は踊りやすそうなワルツですが、終盤は曲が加速します。
この終盤に合わせて踊るのは、何やら大変そうです。

・ワルツ第5番/ショパン

続いてはショパン。
ええっと・・・全然踊れる気がしません(笑)。
開始7秒からの主題は、左手の3拍子のリズムにのって、
右手は2拍子のように聞こえるメロディになっており、
いきなりワルツに聴こえません(笑)。
30秒からの主題も速くて、踊れそうにないですね。
演奏はゾルタン・コチシュ、踊れない度:★5つです。

・交響曲6番「悲愴」より2楽章/チャイコフスキー

この2楽章は一応ワルツとのことですが、もはや3拍子ですらなく
5/4拍子という怪しげなリズムです。
これまた踊るのは無理っぽい気がします。

・歌劇「薔薇の騎士」2幕より「オックスのワルツ」/リヒャルト・シュトラウス

オペラから。
薔薇の騎士はワルツっぽい音楽がたくさん登場するオペラですが、
その中で一番有名なのが、愛すべき3枚目オックス男爵の歌う
このワルツではないかと思います。
これは第2幕の終盤、決闘で負傷したオックスが、
ラブレターをもらって機嫌が良くなるというシーン。
5分35秒あたりからの主題が、有名な「オックスのワルツ」の主題。
揺れる音楽と歌唱が心地よいですね。
最後(11分40秒~)にはバスの最低音(低い!)が楽しめます。

・ラ・ヴァルス/ラヴェル

上の「薔薇の騎士」もそうですが、この「ラ・ヴァルス」も20世紀の曲です。
19世紀的ウインナワルツは既に過去のもの。
この曲は、ワルツへのオマージュというかパロディというか、
そういう曲調になっています。
前半は3拍子の様々な楽しいメロディが次々と登場します。
7分45秒あたりからが後半、前半に出てきたそれぞれのメロディが
バラバラにごちゃまぜに再現され、終盤はテンポもリズムも乱れて
混沌とした状態になり、唐突に終わります。
やはり・・・踊れそうにないですね(笑)。


以上、踊りにくそうなワルツでした。

(というか、ワルツの名のつく個人的に好きな曲を
単に5曲並べただけの記事だったりして・・・笑。)