ドガ | れぽれろのブログ

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エドガー・ドガは19世紀後半のフランスの画家。
活躍した時期は印象派とほぼ同時期。
印象派の画家たちと行動を共にし、印象派展にも参加していたようです。
一般的に印象派の画家とカテゴライズされることもあるようですが、
ドガは手法だけを見ると、厳密には印象派の画家とは言えないと思います。

ドガの面白さは、何と言っても人物の描写です。
一人ひとりの人物の造形、しぐさ、ポージングがすごく面白いです。
同時期のルノワールやゴッホやモネなんかの人物描写と比較した場合、
単純に素人目に見て「ドガはうまいな」と思ってしまいます。

その他、人物を描写する際の角度、画中の人物配置、画面のトリミングの仕方、
遠景と近景の大胆な対比など、面白い点がたくさんあります。
このあたり、同時代に普及し始めた写真の影響もあるのかもしれません。

モネをはじめとする印象派の画家たちの多くが、屋外の光の描写を
探求したのと比較して、ドガは屋内の人物の描写に関心があったようです。
自分はモネやルノワールなども好きなのですが、
ドガはまた別格の魅力があり、これまた非常に好きな画家です。
個人的に、ドガの絵の中で最も面白いと思うのが踊り子(バレエ)の絵です。
以下にバレエの絵をいくつか、及び、サーカスや音楽の絵を少し並べてみます。


・バレエの授業

バレエの授業

服装を直したり背中を掻いたり、一人ひとりの人物のしぐさがいいですね。

・舞台のバレエ稽古

舞台のバレエ稽古

これも人物のしぐさが好きです。
出てくる一人ひとりに何やら愛着が湧いてきます。
色彩は抑え気味で描かれています。
色彩の効果を重視した印象派組とは対照的である気がします。

・舞台の2人の踊り子

舞台の2人の踊り子

さっきの絵にも登場したポーズです。
ドガのお気に入りのポーズだったのかな。

・エトワール

エトワール

有名な絵です。
人物の配置と描かれていない空間のバランスが好きです。

・フェルナンド・サーカスのララ嬢

フェルナンド・サーカスのララ嬢

これはバレエではなくサーカスの絵。
下から見上げるような構図、中心ではなく左上の人物配置、
何やらかっこいい絵ですね。

・手袋をした歌手

手袋をした歌手

音楽の絵もあります。
歌唱中の歌い手の一瞬を捉えた絵。いいですね。

・オーケストラ席の音楽家たち

オーケストラ席の音楽家たち

バレエの舞台とオケピットの絵。
遠景と近景が大胆に対比されています。

・オペラ座のオーケストラ

オペラ座のオーケストラ

同じような絵をもう一枚。
ファゴット奏者がど真ん中に出てくる絵って珍しい気がします。
ファゴット経験者としては何やら嬉しい。

・ダンス教室

ダンス教室

NHK「みんなのうた」で放送されていた「メトロポリタン美術館」。
最後に女の子が閉じ込められる絵です。
画面には「ヴァイオリンのケース」がありますが、
「トランペットのケース」はありませんね・・・(笑)。


ドガはこれら以外にも、競馬の絵、生活感溢れる女性の描写やヌードなど、
まだまだ面白い絵がたくさんあります。
また機会があれば取り上げたいです。