この話も、私の心の物語としてお読みください。

 

●11/29 陛下のお言葉

(日付が変わったころ、降りてきました)

明仁です。

(はっ!陛下。こんなお時間に…こんばんは)

ひとつお願いがあります。

(はい。何でしょうか?)

びっくりなさらないで聞いてください。

(はい)

他人事のように言ってしまうのは、この先のことを考えれば、申し訳なく感じます。

(は?何のことでしょうか?)

実は、出雲の神々のことで、賢所の話が気になりました。

出雲の神々が、この先、宮中の賢所を連れてい行かれるなら、

出雲大社の宮司に、一言ことづけておかなければ…と思いました。

出雲の神々へ、宮中の神が行くことは、今は、まだやってはいけないと思いました。

(何か、しきたりがあるのですね?)

はい。縁結びの神と言われていますが、出雲の神々はその昔、

宮中に反旗を翻した経緯があります。

賢所の命が向かわれたということは、出雲大社の中で、何か大きな出来事が起きる可能性があることを意味します。

(あ、…それはどういう意味でしょうか?)

せっかく、一緒になられた千春さんと賢所ですが、

出雲が絡んでくると、ひどいことにならなければよいがと、懸念してしまいます。

(それは皇室にですか?)

神の力を知る千春さんですから、何も心配することはないと思いますが、

出雲の神の力が、千春さんの体に影響がなければよいと願うばかりです。

(何か、私に影響がでる…ということですね?)

はい。国常立大神が千春さんに憑いていますから、きっと心配はないと思いますが、出雲神の中には、宮中の意識をよく思っていない神がいることを、心に置いておかれますよう、

お願いいたします。

(わかりました。ありがとうございます。今まで、そのようなことを言われたことはありませんが、何かあったら、早めに感じ取るようにいたします)

出雲の神が反旗を翻すことはないと信じておりますが、このまま出雲の神が賢所に力を貸して、世界平和を買って出てくださることを願います。

(わかりました。賢所と国常立大神に聞いてみます。

たぶん、出雲では稲荷神社の会合が開かれているはずです。

陛下のお言葉を伝えられるとよいと思います)

 

その後、年の神に

「賢所と千春を結婚させたのは、出雲神だ。

以前、年の神に従った出雲の神が賢所を受け入れた。

その昔はオオクニヌシであった年の神に従っていたのだ。

出雲の神が変わったのは、出雲の神の出ではない者が統治し始めたからだ。

その者たちも理解を示している。ここは争う時ではないと。賢所に従うとな。

形は出雲の統治権がオオヒルメムチの子孫へ移ったからなのだ。

大昔のオオクニヌシの時代へ戻れば、なにも問題は起こらぬ」

と言われました。

 

●11/29 年の神

年の神だ。今、いいか?

(あ、はい。あら、「賢所」ではなくなったのですか?)

千春に移ったからな。

以前の年の神が、いたように、宮中の賢所から出た年の神が千春に憑いている。

(あれ、下谷神社の年の神さまのように?)

そうだ。

(そういえば、なんか穏やかになりましたねぇ~)

苦しめてしまったな。千春には世話をかける。

(…あら、賢所のお言葉とは思えぬ、お言葉…ありがとうございます)

人間の仕事は今の世において、生きること強いられる。

生き物としての生き方というよりも、からくりを携えた人形のようだ。

生きている魂を隠し、欲を際立たせることで、世の経済というカネが動く仕組みだ。

欲を持たぬ人間は、その社会においては、厄介者扱いだ。

最後は捨てられ、己が何だったのか、わからず消えてゆく。

そういったことが、世の常識化したことで、神との縁が切れて行ってしまった。

欲を出すことが悪いこととは言わぬ。だが、物に心を奪われるなかれ。

物に心は入らぬ。

(そうですか~、芸術作品とか手作りのお茶碗とか、物は人の手で作られますよ。

物も生きているんじゃないですか?

ほら、依り代だって物ですよ!!)

なかなか、良いことを申すな。

人の手を介した物には、その者の意識が宿る。

だが、千春たちの世において、溢れて出ている物に人の意識は感じられない。

(では、デザインとか形はどうですか?人が考えていますよ)

さしあたって、人の手が加わった物に、魂が感じられなくなってきたということだ。

(それはどうしてですか?)

人の意識の表にあるものが本質から、かけ離れているからだ。

(それは、カネのためのデザインであり、機能であり、ということですか?)

まさしくそうだ。

(まぁ、芸術家は作りたいものをつくっているのですものねぇ。

そこに経済が関係している人もいるかもしれませんが、

多くの場合、自己満足の世界ですものねぇ)

形は目に映り、訴えやすいが、それを信じ込むことで心を失ってしまう。

月にいる兎のように、実際はそこにはいないのだ。

体をつくっているものが形であれば、いずれ壊れ、消滅してゆく。

しかし、生きているという意味を把握すれば、形とは別な意識がそこにあることがわかる。

千春に賢所は見えなかったろう?

(見えません!)

しかし、そこにあることはわかる。千春には賢所とわかるのだ。

(そりゃ~、あれだけビリビリしていたら、わかりますよー!)

ずいぶんな話だが、それもわかる者にしか、わからぬのだ。

形を信じる者に賢所はわからぬ。

だが、千春も申しているように、体は反応しているのだ。

その反応さえ、形を信望する者にはわからぬ。

(知らないって、いいですよ!無知って素晴らしと思います)

ハハハハハ。

まったくだ。知らぬことも知ってしまう千春にとっては、いい迷惑な話だったな。

(はい)

わかる者だけでよい。その苦しみをとってゆこう!

稲荷の会議が終了する。今の稲荷に力を与えた。

宮中の賢所の力だ。

(それって、もしかして、宮中三殿と同じ気になるんですか?)

あはははは。知らぬが仏という、と言われた。

賢所が全国の稲荷に入り込む。

(あ、ちょっと待ってください!みんなが病気になってしまいます!)

かまわん!単なる気のせいだ!

(あ~、そうか、ありがたいと…)

病によって、己に気づいた者は宝を持ったも同然だ。

そこに気づかぬ者は苦しむことになるが、気づいたものは、再び稲荷のところへ参るがよい!

(それで、治るんですか?)

治ると思うか?

(どうだろう…)

治らんでもよい。が、生きる本質を知ることで、生きることが楽になる。

(なるほどね~。天皇陛下はどうなりますか?)

いかがわしい者にすがれることもなくなる。

本当の意味でのスメラミコトになる。

(あ、それって、賢所が直接、陛下に降りてくるということですか?)

そうだ!

(今まで、降りてこなかったのですか?)

気をを持たせただけだ。これからは違う。

(つまり、今の皇太子殿下から直接、賢所が入って、その指示で動くということですか?)

まさしく、そうだ。

(それは政治とは違うのですか?)

政治こそ形だ。

その裏で動くのが天皇の仕事となる。

(はぁ、目に見えない政治ですか?)

全世界を統一していく政治を行ってもらう。

稲荷の力を全世界に広め、地球という星を一つにまとめてゆく。

それがスメラミコトの仕事だ。

わかったか?

(よくわかりました。壮大な仕事ですねぇ。

では、私の仕事もこれで終わりになりますね!)

話がちがうであろう?

いくら、表面を整えても、中身が伴わねば、この星など、すぐ宇宙の大気にやられてしまう。

千春は千春で重要な働きをせねばならぬ。

(わぁ~!なんでまた、私なんですか!?)

いいから、心配するな!

宇宙を操れるものは、千春たちしかおらぬ。

八坂に申せ!もっと動け!とな。

(あ、わかりました。宇宙をコントロールしていくというのは、

絶対神ナニルの神の仕事をするということですか?)

今まで通りだ。脳に働きかける意識を感じ取れる者はそういない。

その力を持つ者を本来はアマテラスというのだ。

(私は太陽神じゃないですよ。人間です)

何を寝ぼけたことを言っておるか!

(は?)

生まれを知らんのか?

(知りません。知らないって、幸せ~)

まぁ、よい。これから、太陽をコントロールしてゆく。

今、その準備をしている。千春の力で災害が抑えられるのは、

太陽をコントロールしてるからだ。

(なにを言っているんですか。今の太陽からでは、地震が予測できないじゃないですか!)

心配するな。うまく、コントロールしている。多少の地震や災害は致し方ない。

それをなくすことは不可能だ。だが、最小限にはできる。

それを千春や八坂がっやっている。うまく調整してゆけ。

(なんでかわからないけど、わかりました…)

 

 

おしまい