Old Demoの記事に書いた小学校時代のツレ。
奴と再会してから数年遊んだりしてたんだけど、奴が就職の関係で別の市に引っ越してからは連絡もほぼ無くなって、今はすっかり音信不通。
まぁ、改めて連絡を取る程の関係でもないというか、特にメリットがある訳でもないだろうから二度と会わなくても全く問題無いなと。
って、これだけ書くと俺の人格が疑われるというか、変に誤解されるであろう事はまず間違いないんだけども・・・違うんですよ、ここまで俺に言わせる原因は奴の方にあるんです。
奴とまた遊ぶ様になってたハタチ頃・・・つまり、Old Demoの記事のその後の話になるんだけど、とある日に奴がウチに遊びに来たんですよ、夜。
んで、例の如く記憶にも残らない様なくだらない話をしてたところ、奴がおもむろに一枚のレポート用紙をポケットから取り出して言う訳よ。
奴:「これさ、お前の曲聴いて俺もやってみようと思って書いたんだけどさ。」
俺:「ん?書いたって何?」
見てみると、レポート用紙にはなにやら文章が。
俺:「なにこれ。・・・・・・ひょっとして、歌詞か? これ。」
奴:「うんうん、なんとなく書いてみた。」
俺:「ふ、ふ~ん・・・。」
改めてレポート用紙に視線を落とし、奴の言う 『歌詞』 を一通り読んでみる。
── 久しぶりのお前からの手紙。 どれぐらい振りだろう。
── 同封されてた写真が・・・どーたらこーたら。
おぼろげながら、そんな感じの駄文がつらつらと・・・。
俺:「お前さぁ・・・歌詞ってこれ・・・・・・歌詞ではないだろ。」
奴:「まぁまぁ、最初だしさ、思いついたの書いただけだからさ。」
俺:「そりゃそうだろうけど・・・これで歌詞ってお前・・・。」
奴のよこした 『歌詞』 はとてもじゃないが歌詞と呼べる様なもんじゃなく、言うなればド素人が走り書きした小説のプロットみたいなもんで、随所にアホっぽいほどカッコつけたセリフを散りばめつつの、物語のあらすじをつらつらと並べた様なもんだった。
まぁ、それだけに世界観と言うか、「どういう内容なのか」 はある意味解り易かったものの、それをそのままメロディーに乗っけるなんてのは到底無茶な事。
とは言え、奴がそれを見せてよこしたって事は、その日の奴の目的はそれ以外になかったんだろうし、思いつきだの何だのと言ってはいるものの、ホントのところは奴なりに意欲満々で書いたものだってのは明白だった。
他人に流されまくった上にカッコつけに過ぎないという・・・実に痛い話である。
断るのは簡単。
そもそも、歌詞なんて素人が片手間みたいにちょろちょろっと書いて、綺麗に完成する様なもんじゃない。
メロディーに乗せるには文字数なんかの制約も必然的にあるし、言葉一つの響きにだってそれなりに拘ったりするのが基本。
極端な話、単語一つのチョイスに悩んで曲自体をボツにする事だって無い話じゃない。
そういう事を全く理解してないド素人の奴が、いくらやる気を出して書いたところでそれは無理。
仮にセンスを持ち合わせた人間が書いたとしても、最初から上手くなんか書けるはずもないんだから。
が、「無下に断るのもどうなんだ?」 ってのが俺にはあった。
奴がやる気を出して書いて来たからってんじゃなく、別に奴の機嫌を損ねて楽器を借りられなくなるのを恐れた訳でもなく、俺的にそれは 「自分以外の発想をネタに曲作り出来るチャンスだな」 ってのがあった。
自分の中で物語を想像して作り出す作品は確かに 『自分のもの』 だけども、そればっかりってのもあまり面白くない。
「外から持ち込まれた世界観をどう自分のフィルターを通して作品にするか」 ってのも、創作する側からしたら非常に面白いし、興味深い事だったりする。
だから、奴のよこしたレポート用紙に書かれたものが歌詞とは呼べないものだとしても、それをどう料理するかは俺の問題って事。
だったら、やるだけやってみた方が面白いんじゃないかと思った。
少なくとも、俺にとっては実験的な試みとして良い機会に思えた。
俺:「んじゃ、一応やってみるか。」
奴:「作れそう?」
俺:「そりゃどうか解んねぇけどもな。・・・ってか、お前さ?」
奴:「なに?」
俺:「これ、このまま歌詞とか無理だかんな? それは解るだろ?」
奴:「まぁ、そうかもね。」
俺:「だからさ、俺はこれをベースにして作ってみっけども、あくまで俺の解釈でやるからな?」
奴:「うんうん、そこは任せる。」
俺:「出来るだけお前のもフレーズとかで使えたら使うけど、基本的に世界観だけ参考に、俺のもんとして作るからな? そこ解っとけよ?」
奴:「解った、解った。」
という訳で、奴に念押しをした上で俺の作業開始。
通常、曲作りってのは大体が曲先行。
つまり、それなりのメロディーありきでそこに歌詞を当て嵌めてくのが一般的なんだけど、この場合は歌詞先行なんでちょっと難易度が高くなる。
とは言え、奴の歌詞は歌詞じゃなかったし、予め奴に念押しした様に、俺は俺のものとして作る前提があったもんで、奴の書いたものは殆ど意識せずに作る事にした。
ホントにテーマだけ採用した形だ。
それから数時間、俺はギターを抱えつつ、歌詞も同時に考えつつ、世界観を脳内で膨らませながら延々と作業。
さながら、無地のパズルを作りながら同時に絵を描いてる様なもん。
時々一服しながら時計を見ると、時間はすっかり真夜中になってた。
奴はすぐそこでTVを観たりしながらくつろいでたが、時々は俺の作業の進行具合を気にする様子でこっちを窺ったりもしてた。
俺が奴の事なんかほとんど無視する形で作業を進めていると、ふと奴が寝てる事に気付いた。
まぁ、下手に起きてて 「どんな感じ?」 とか邪魔されるよりはよっぽど良いんで、そのまま放っといて作業続行。
結局、夜通し作業を続けて、曲が完成したのは明け方、空が白々と明けてきた頃だった。
俺:「おい、出来たぞ。 起きろ。」
奴は何度か呼びかけてようやく目を覚まし、俺以上に眠そうな様子で書き上げたばかりの歌詞に目を通した。
奴:「おぉ~・・・歌詞になってるね。」
俺:「そりゃそうだろ。」
奴:「・・・なんか、全然違うね?」
俺:「だから、お前のはあくまでテーマとして使っただけだっての。」
奴:「こんな違っちゃうもんなんだなと思ってさ。」
俺:「まぁ、そういうもんなんだよ。」
奴:「あぁ、一応フレーズ使ってくれたんだ?」
俺:「一つ二つな。 それ以外はちょっと無理だったわ。」
奴:「ふ~ん・・・なるほどね~。」
奴は感心しつつも、自分の書いたものと全く別モノの仕上がりになった事が気に入らない部分もあったんだろうが、俺にしてみたら全く問題なく、むしろ出来としては良い方だった。
奴:「で、曲は?」
俺:「あぁ、今ちょっと演るから待て。」
俺は再びギターを抱え、1番だけ弾いて聴かせた。
アンプを通してないエレキとは言え、明け方に大声で弾き語る訳にも行かないんで、極力小さめに。
奴:「おおぉ~、良いね~。」
俺:「なかなか良いべ?」
奴:「曲になったね~。」
曲を聴いた奴は少々テンションが上がった様子で、自分の書いたものと俺が書き上げた歌詞を見比べて感心した。
俺はさすがに集中した事もあって疲れと眠気が出て来てたんだが、そんな俺に対して奴が言ったセリフには呆れた。
奴:「ねぇ、これさ、共作って事でいい?」
俺:「・・・・・・はぁ?」
奴:「いや、お前が作った曲だけどさ、一応俺のをテーマにしてるしさ、フレーズも入ってるじゃん?」
俺:「・・・お前、作ってる間におもいっきり寝ててそれ言うか?」
奴:「いや、お前の曲だけど! ・・・ちょっとだけ俺も共作って事になんない?」
俺:「ちょっとだけってか・・・・・・。まぁ、別にそんなのどうでもいいっちゃいいけど。」
奴:「んじゃ、最初の共作ね、これ。」
俺:「ん~・・・ってか、共作共作って、そんなに大事か? そこ。」
奴:「別にそうじゃないけどね~。」
いや、奴にはしっかりと魂胆があった。
その事はしばらく後になって知る事になる。
その後、奴は昼前になって帰り、俺もようやく就寝。
起き出してから曲のデモ作りを始め、どれぐらい掛かったか忘れたけども、一応はデモテープを作った。
それからまた奴と会った時にダビングしたデモを渡し、奴はそれを聴いてまたテンションが上がった様子だったが、俺はいちいちそれに付き合う事もなくまた別の曲なんかを作ってた。
後日、また奴がウチに遊びに来た。
今度は最初から 「また共作しよう」 という前提だ。
勿論、それは奴の提案だったし、俺にしてみれば共作なんて一度もしたつもりは無いが、いちいち否定するのも面倒だから言わせとく事にした。
その日、確か奴は自分のEOSをわざわざ持って来て、それも込みで作る気だったと思う。
ってか、まともに弾けないクセにそういうカッコつけだけは大好きなんだよ、奴。
結局は曲なんて出来なかったし、口には出さなかったけど、俺も作るつもりなんてサッパリ無かった。
それは奴の共作発言も理由の一つだったが、その日に奴がこぼした一言に呆れ果てたからだった。
奴にしてみたら大した事じゃなかったんだろうが、俺にとっては病院送りにしても文句言わせないぐらいの重大な一言だった。
奴:「こないだの曲さ、FRIENDね。」
俺:「うん?」
奴:「あれのデモ貰ったじゃん? こないだ。」
俺:「うん、音悪いけどな。」
奴:「あれさ、こないだ女に聴かせてさ。」
俺:「女? 彼女かなんか?」
奴:「いや、彼女とは違くて、前から知ってる奴なんだけどさ。」
俺:「・・・・・・で?」
奴:「んでさ、俺がシンセ弾くって話になってさ、それで曲聴かせてさ・・・あ、お前と共作だけどね?」
俺:「・・・んで、結局その女とヤッたって話か? それ。」
奴:「うん、まぁ、そうなんだけどねw」
よくもまぁ、あの時の俺は奴を殴らずに堪えたもんだと思うよ。
ってか、完全に呆れ果てたせいもあったんだろうけどもね。
奴は上手く誤魔化せたつもりだったんだろうけど、俺には全部読めましたよ、奴の手口から何から。
結局、奴は俺が作ったデモを自分が作ったぐらいの感じで女に聴かせて、なんだかんだで女をコマした訳ですよ。
あの様子じゃ、実際に曲を作ったのは俺だとも、共作だとすら言ってないね。
全部自分の手柄みたいに言って、それを餌の一つとして女を釣り上げたんでしょ、大方。
別にね、奴に彼女が居るのに他の女に手出しするとかは良いのよ、好きにすりゃ。
その女も奴の事が少なからず良いと思ってたんだろうし、年頃なんだからやる事やっても全然不思議じゃないしね。
ただ、そこで俺が作ったもんを餌にされたのが非常にムカつく訳で、とんでもない侮辱と言うか、腹立たしい事この上ない訳ですよ、作り手として。
それで奴が曲作りの最中に起きてたならまだしも、へっちゃらで爆睡ぶっこいてましたからね、尚更ムカつきますよ、そりゃ。
まぁね、Old Demoの記事にも書いたけど、奴はガキの頃からそういう感じの奴だったというか、信用なんか出来る奴じゃなかったし、そんな奴と適当に遊んでた俺も悪かったんだろうからアレだけど、それにしたってふざけんなよと。
せめて、そういう事実があったとしてもわざわざ俺に言うなって話だし、知った以上は俺も完全には見逃してなんかやりませんから。
大体、女をバカにする様な言動をしてた時点で俺は奴が許せなかったんで、ある意味でいいきっかけにはなったんだけどもね、その件は。
結局、奴のその発言以降は俺もスタンスを改めまして・・・つまりは、こいつは本当の友達ではないという見方に切り替えて、完全に奴を駒として使う事しか考えない様にしましたよ。
遊びに行っても金はほとんど奴に出させたし、奴から借りたリズムマシンは今でも俺の手元にあるし、奴が俺をバカにしてくれた分は少しでも取り返してやったさ、そりゃ。
まぁ、俺の中にある人間不信が更に深まった部分だけは取り返せてないけどもね。
そんな昔話。
FRIEND take.6
当時の俺にしては珍しかったラブソングなんだけど、それは上記した様に元ネタが俺から出たものじゃなかったが故。
でも、テーマだけでこういう歌詞が書けたって事は、他にもテーマさえあれば色々と書けたのかも知れない。
作品としては自分でも好きな曲で、歌詞も切なくてなかなか良い感じじゃないかなと。
音的にはシンプルなんだけど、元々はもうちょっと暗い雰囲気があった。
そもそもアコギを入れるつもりだったんで、今のツールを使い始めてから入れてみたんだけど、そしたら妙に全体の雰囲気がポップになってしまったという・・・良いのか悪いのか微妙なオチ。
ボーカルに関して言うと、実はこのボーカルトラックって単体だと他の音が入ってたりして綺麗に録れてないのよね。
まぁ、他のトラックが消してくれてるからなんとか誤魔化せてるけど、いずれはボーカル録り直して、また改めてミックスする予定。
アコギもいざレコーディングしようと思ったらネックが捩れまくって全然ダメでw、それでもコードだけだからって強引に録ったが運の尽き・・・編集がえらい大変な事になりましたとさw
だからこれも出来れば録り直したいんだけど、アコギのレコーディングは色々と面倒なんでね、いつやる気になるかは神のみぞ知るw
FRIEND [AG mix] take.1
これはアコギの音を中心にしてみたバージョン。
基本的に鳴ってる音はオリジナルの方と変わらないんだけど、ソロ部分とかはアコギで改めて録ってる。
ドラムパートはベードラとスネア辺りは別のものに替えて、一応はオリジナルよりアコギに合った音色になってるかと。
これまたボーカルトラックに関してなんだけど、この音源はまだミックス作業に慣れてない頃のなんで、イコライジングとかほとんどしてません。
だもんで、いちいち音が沈んでたりするんだけども、その内にリテイクするから良いだろうって適当にOKにしちゃってますw
コーラスなんかも沈みすぎちゃってるしね・・・これを手抜きと言わず何と言おうw
しっかし・・・アコギの音痴振りが酷いw
ネックの捩れって怖いわ~。