バナナは高級品 | 太平洋戦争史と心霊世界

太平洋戦争史と心霊世界

海軍を中心とした15年戦争史、自衛隊、霊界通信『シルバーバーチの霊訓』、
自身の病気(炎症性乳がん)について書いています。

バナナ 

「マレー産はうまいぞ」

2巻の航跡16「マレー鉄道」では、草加少佐が三等車にバナナを買いに席を立っていた間、角松二佐が憲兵に拘束されそうになって冷や汗をかきます。

 

実はバナナって、今ではスナック代わりに食べられる手軽な果物ですが、当時の日本ではなかなか手に入らない、南洋の高級なフルーツだったのです。

 それで草加少佐はわざわざ三等車に行ってまでもバナナを手に入れたかったのかもしれません。マレー半島では、バナナは安いでしょうから食べ放題です。またアニメでは満鉄列車の中で、バナナを大事そうに持ってましたね。

 

年配の方に聞いた話ですが、バナナ、りんご、海苔、卵などは、戦後もしばらく貴重品で、病気など特別な時以外は食べられなかったそうです。

 そのためか、コミックの中でも海軍側が、戦闘食としておにぎりを作っている場面がありますが(28巻)、おにぎりがホントに米だけで海苔が付いてないです。何かシケテるなーと思ってしまいますが、海苔が入手困難という事情があったのかもしれません。

 

これを裏付ける資料があったので紹介しておきます。ある少尉候補生が、練習生として戦艦伊勢に乗艦している時、特別食としてご馳走がでました。そしてその食事中に突然ある命令が下ったので、時間がなくて半分かじったりんごをゴミ箱に捨てました。

 

すると上官の大尉から

「おい、りんごはみな食ってゆけ。娑婆(世間)では貴重品なんだぞ」

と叱責を受けてしまいました。彼は慌ててゴミ箱からリンゴを拾い上げました。昭和15年のことです。