二等列車は士官ご用達 | 太平洋戦争史と心霊世界

太平洋戦争史と心霊世界

海軍を中心とした15年戦争史、自衛隊、霊界通信『シルバーバーチの霊訓』、
自身の病気(炎症性乳がん)について書いています。

 2巻の「マレー鉄道」では、昭南市(シンガポール)へ向かう汽車の中で、角松二佐が車内が暑いと不満を言いますが、草加少佐は「一等車はまだマシだ。スシ詰めの三等車に乗ってみるか?」とたしなめます。 

 ところがアニメの方では一等車から、「二等車はまだマシだ。」に変わっています。不思議に思って調べてみると、海軍兵学校のテキスト「礼法集成」(海軍士官のためのマナー心得)に以下のように記されていました。 

 チ 陸上における心得
 三、海軍将校の対面を重んずるため、汽車は、二等以上に乗車するを例とす。 

 通常一等車は、将官クラスの軍人や政府要人が利用しており、二等車はそれ以下の士官が利用することになっていました。それで列車の等級は、一等車(コミックでの設定) → 二等車(アニメでの設定)へと変更になったのでしょう。 

 このように将校は、乗車すべき列車のクラスが定められているので、三等車に乗るのは不適切な行為となります。

 アニメで角松二佐が「将校が三等車なんかにバナナを買いに行ったら、奇異の目で見られるだろう」と草加少佐を非難していたのも、この規定があったからなんですね

 ただ中には家庭持ちで家計の苦しい将校もいて、その場合は節約のため背広を着て、こっそりと三等車に乗っていたという話もあります。