こんにちは。
『0円引越』プロデューサーの合田英樹です。
【新シリーズ】 あの引越会社が倒産に至るまで 第7弾です。
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事務所に戻った私は周りに聞かれない程度の小声で、
「オレは異動するぞ。」
社長室へ消えた私を迎えてくれた△△に、開口一番そう伝えました。
「ここまで作り上げて…誰もこの先なんて出来ないですよ!」
後任の△△は、怒りとも諦めともとれる口調でした。
「お前が言うな!誰が後を見るんや?」
後任の話しは人事の内容ですので極秘事項です。
誰が来ても今まで通りの仕事でいい!と、△△に話すくらいしか出来ませんでした。
「異動はいつですか?」
「人事のことだからわからん!」
その後、どこから伝え聞いたのか、全国各支社の業務責任者、支社長、営業マン…
電話がひっきりなしに掛かってきたのを覚えています。
ある支社長は、
「お前が居なくなると業務の抑えが利かんなぁ~どうするつもりなんや?」
「私に聞かれてもわかりませんよ。」
誰がどう伝えたのか?その日にして私の異動は周知の事実になりました。
私の辞令が出たのはその2週間後。
配属先は法人部でした。
思っていた通りの部署であった事と△△への引き継ぎもスムーズだった為に、
特に大きな混乱もなく異動できました。
△△以下、数名のスタッフが私の荷物整理等を手伝ってくれている途中、
監視カメラでそれを見ていた社長から電話がありました。
「お前の荷物の片づけを手伝っているメンバーは、合田グループに見られるぞ!」
「○○専務が手伝っている者に対して何をしてくるかわからんぞ!」
何という事でしょう?
善意の行動の結果が、彼らの意図する方向と逆になるのは好ましくありません。
私は手伝ってくれているスタッフにこう言いました。
「お前ら、これを手伝ってると○○専務に睨まれるよ。」
彼らは全く手を止めずに言いました。
「どうぞ、どうぞ!僕たち最初から合田グループって見られてますやん!」
私は笑いながら、
「それもそうやな~」
△△は言います。
「いつ戻って来ても良いように、書類関係は全部このままにしておきます。」
「わからんぞ~」
私は複雑な心境でした。
異動先の法人は以前も所属していた場所でした。
法人部へ挨拶をしに行くと、
「歓迎会しないとだめですね?」
そう言って、古株の事務員さんは笑ってくれて…
ずっとそこに居たような温かい雰囲気で迎えてくれました。
ただ一人、その光景を見ていた○○専務以外は…
とりあえずこの辺りで一旦アップします。
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