【初の子供脳死移植】他の臓器も４病院で。
改正臓器移植法に基づき１５歳未満で初めて法的脳死と判定された少年の臓器摘出手術が１３日、入院先の関東甲信越地方の病院で行われた。心臓は大阪大病院に運ばれ、拘束型心筋症の１０代男性に無事移植された。
阪大病院によると、移植手術は午前６時半すぎに始まり、同１１時４７分に終了。提供を受けたのは中国地方在住の１５～１９歳の男性で、容体は安定している。
日本臓器移植ネットワークによると、提供者の少年は１０歳以上１５歳未満。心臓以外は、肺が東北大病院で肺動脈性肺高血圧症の５０代女性▽肝臓は北海道大病院で先天性代謝性肝疾患の２０代男性▽膵（すい）臓（ぞう）と腎臓の１つは藤田保健衛生大病院（愛知県）で糖尿病性腎症の３０代女性▽別の腎臓は東京女子医大病院で慢性糸球体腎炎の６０代男性－にそれぞれ移植手術を実施した。
臓器を提供した少年が入院していた病院からは１３日早朝、摘出された臓器を入れたケースが次々と運び出された。それぞれのケースにはポリ袋に入った折り鶴が張り付けられ、鶴の翼の部分に手書きで「成功を祈っています」と書かれていた。関係者によると、折り鶴は少年の家族が折ったという。
大阪大病院＝大阪府吹田市