【リビア空爆】
【ロンドン=木村正人】北大西洋条約機構(NATO)は27日、ブリュッセルの本部で開いた大使級会合で、リビア市民保護のためカダフィ大佐側の戦車などに対する地上攻撃についても指揮権をNATOが米軍から引き継ぐことで最終合意した。米英仏などは29日にリビア情勢を協議する外相級会議をロンドンで開き、大佐に即時退陣を迫る外交圧力を強める構えだ。
NATOのラスムセン事務総長は27日の記者会見で、すでに合意しているリビアへの武器禁輸を監視する海上封鎖、飛行禁止区域実施に続き、市民保護のための地上攻撃についてもNATOが指揮すると発表した。司令官はカナダのブシャール空軍中将が務める。
米国は大佐の追放ではなく反体制派の本拠地ベンガジでの虐殺回避を軍事介入の名分にしており、1、2週間内に兵力を大幅削減する方針だ。交戦規定はまだ明らかではなく、規定が厳しすぎた場合、フランスは単独行動の権利を留保するとの見方も出ている。
29日にロンドンで開かれる外相級会合には多国籍軍参加国やアラブ連盟、アフリカ連合などから40カ国の外相が参加。国連安全保障理事会決議の履行状況を検討、「コンタクト(連絡調整)グループ」を設置して大佐側と反体制派の停戦協議、カダフィ後の政治体制について国際社会が関与する枠組みをつくる方針だ。
ヘイグ英外相は反体制派組織「国民評議会」のジブリル暫定首相を招待したことを明らかにしている。
27日、対リビア作戦でフランスの空母から離陸の準備をする戦闘機(ロイター)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110328/erp11032808070002-n1.htm