以前、ホロスコープ・チャート上には「運気」は表示されるが、その人が幸せかどうか、という結論は表示されない、と書いたことがあります。
よく鑑定を受けに来られた方から
「あたし、幸せになれますか?」
と質問されることがあります。
運命を解読するくらいだから、幸せになれるかどうかくらい分かるだろう。
この考え方は素直に理解できます。
みんな、それが知りたいわけですもんね。
しかし、よく考えてみて下さい。
一人一人、幸せを感じるものは違っています。
忙しい毎日を送ってこそ充実して、生きがいを感じる人もいれば、穏やかな日常に包まれて、ひっそりと暮らすのを喜びとする人もいます。
いやいや、そうじゃないよ。
世間一般的な意味での幸せってあるだろ、それが知りたいのよ。
そう思われるかも知れません。
はい、それはたしかに出ます。
たとえば世間一般的な意味合いでは、次のようなのが幸せな人生の典型といえるかも知れません(女性の場合)。
仕事もそこそこ充実していて、やがては運命の人と出会って、子供をもうけ、大きな波乱もなく人生を終えること。
???
ま、まあ、異論はあるかと思いますよ

価値観はそれぞれですから。
でも、私がお会いする女性の多くが、やはり「結婚」「その後の生活」というのを、とても重要に捉えていて、そこことがうまく行くかどうかを知りたがっています。
それがうまく行けば、イコール幸せ

たとえばこれはチャート上、7ハウスや4ハウス、5ハウスなどが重要なポイントになってきます。
7は結婚、4は家庭(そして晩年、人生の結論的部分でもある)、5は子供などに関わっています。
これらのハウスとそこにある星などが健全で、損なわれていなければ、その人は上記の意味合いで、幸福な人生を送る確率は高くなります。
けれど、これまでの鑑定例を振り返ってみると、かならずしも該当しない人間もいます。
健全で損なわれていないというのは、チャート上は凶星からハードアスペクトを受けていないことと、ざっくり考えたら良いです。
しかし、ソフトアスペクトばかりで調和が示されているような人には、逆に幸福感を感じにくくなってしまうという欠点があります。
分かりやすいたとえをすると、ちょっと前の日本の状況がそうでした。
戦争もなく、平和が長く続くこの国。
生活水準もそこそこ高く、思うものはなんでも手に入る。
これはどっぷりぬるま湯につかっているのと同じで、まさにどっぷりソフトアスペクトだらけのような状態だったのです。
この時期、精神的に欠乏感を感じ、なにが幸福なのか、まったく実感が持てなくなった人が大勢いました。
ソフトアスペクトが多い人は、幸運も手に入れやすいかわり、そのことへのありがたみも簡単に薄れてしまう危険があるのです。
個人単位で言うと、たとえば良い旦那さんと子供にも恵まれているのに、生活が退屈だとか、そういう理由で浮気や不倫に走る、とか。
へたをすると、そのようなケースに陥って、自ら幸福を欠乏させて行くことも考えられるのです。
グランドトラインは占星術上、最高の調和座相ですが、これを多く持つ人の中には、まさに完全調和を求める人もいます。
異性関係でも、ほんのちょっとでも些細な傷が生じると、あっさり相手から離れてしまうケースもありました。
他人から見ると、「ええ、そんなことで?」と思う程度のことです。
つまり傷が生じることへの免疫がないのです。
ソフトがあれば、かならず幸せかというと、そうではない、と言えそうです。
逆に7、4、5といったハウスに凶星を持つ、あるいはそこにある他の星に凶星がハードアスペクトを持っているようなケースでは、たしかにこれらの結婚生活、家庭生活、子供との関係を調和的に維持して行くのには、ほとんどの場合、努力が必要です。
さあ、ここがちょっとした問題です。
皆さんは、「努力」をしなければならない場合、不幸ですか?
よおく考えてみて下さい。
続きます。
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