九星はどこまで真実か |  ZEPHYR

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 心の泉から溢れ出るものを書き綴っています。

昨日は自分の部屋の有様にぷっつんして、部屋の掃除と配置換えをしたzephyrです。

家を建てたいので、方位を見てほしい。
そんな鑑定依頼をお受けすることも、時折あります。
方位、家相。
こんな話に良く出てくるのが、九星術です。
ほら、一白水星とか五黄土星とかいうやつです。皆さんも耳にされたことがあるのではないでしょうか?
ちみみに私は1962年の生まれの二黒土星。
書店に行くと、たいてい毎年の「暦」の本を置いていますが、あれに載っています。

九星というのは、一白水星から始まって九紫火星までの、九つのタイプに人間や年月日時を分けるやり方です。
そして、私たちに適応されるときは、なぜかこの生年のみが大きく取りざたされます。
たとえば私の場合、二黒土星ですから、今年=九紫火星が中心に来る九星盤では二黒は西方に位置し、運気的に幸運、隆盛ということになっています。
その年の干支などによっても結論は変わってくるのですが、基本的には九星の座す場所によって、方位に吉凶が生じてきます。

日本式のやり方で方位を解読する鑑定家は、この九星盤を重用することが多く、今年の九星盤に照らして二黒はどうだから、あっちとこっちはダメ、そちらへ動くと凶害が発生する、などと仰います。
過去、結婚時に凶方位へ移って新居を構えたりしていた場合、後で何が良くないことが起きたときに、「その移動が凶運を招いたのです」と断じられたりします。

しかし、これは真実なのでしょうか?
人様のやっている占いにケチをつけるつもりはなく、単純に論理的な問題です。
たとえば今年、二黒土星は本命殺のある西、そして五黄殺と暗剣殺のある南北が凶の方位ということになっています。
これは1962年生まれの人間全部に適応されます。
このようなことがはたして、あるでしょうか?
また二黒土星の人は、現在、主に生存されているであろう年代域では、1908、1917、1926、1935、1944、1953、1962、1971、1980、1989、1998、2007年が該当しますが、これらすべての人間が等しく、今年は西と南北が凶、などということが現実的にあり得るのでしょうか?

これは生年のみを問題にするために生じる、きわめておおざっぱな解釈としか思えません。
ましてや、さらに付け加えると、今年の九星盤の中では五黄の座す北とその反対の暗剣殺である南は、誰にも等しく凶というのがこの方式の重大な欠陥でもあります。
つまり今年、南北が凶というのは、九星の解釈ではこの全世界人類に適用される法則なのです。

このようなことが現実に起き得るとは、どうしても思えません。
では、今年、日本人は全員オーストラリアなんかには行けないし、事業をそちらで拡大したら失敗するということになります。
しかし、現実には今年、南や北へ動いて成功する人間も、かならず存在します。

九星は年回りだけでなく、月日時にも適応されるので、四柱推命や西洋占星術のように、その人のもっと詳しい解読のやり方が、どこかに伝えられているのかも知れません。
それだけは門外不出になっているのかも知れません。
ともかく、現在一般に知られている方位術の代表格である九星は、論理的に考えてかなり精度の低いものと言わざるを得ません。

西洋占星術でも方位を見るやり方はありますが、私の場合、このようなケースではたいていタロットを使用します。
「その土地に家を建てて良いか」という質問には、非常に明確な答えを提示してくれますし、まだ時が至っていないために、「今は建てない方が良い」というような答えの出方もします。
そして、なぜか、これは西洋占星術の結論と矛盾しないのです。

タロットがなぜ当たるのか、という問題は、占星術がなぜ当たるのか、という命題に以上に、科学的論理的な解明が困難なので、突っ込まないで下さいね(笑)。
答えられませんから。

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