今回ご紹介する「デリリウム・ノクトルム」は、先回Part20の記事で取り上げた「デリリウム・トレメンス」の醸造10周年を記念して、1999年に発売された姉妹品です。

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 向かって右が今回ご紹介の「デリリウム・ノクトルム」。
 向かって左が、「デリリウム・トレメンス」です。

参考記事:
・デリリウム・トレメンス:ピンクの象がトレードマークの震顫譫妄ビール~ベルギービールPart20

「ノクトルム(nocturnum)」とは、ラテン語で「夜」という意味だそうです。
 先回の記事で記したように、「デリリウム(delirium)」とは「譫妄(せんもう)」という意味ですので、「デリリウム・ノクトルム」は直訳すると「夜の譫妄」という意味になります。
 

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「デリリウム・ノクトルム(DELIRIUM nocturnum)」
 原材料は、麦芽、ホップ、糖類。
 アルコール度数は8%以上9%未満。
 330ml入りで、¥515(税込)でした。

「デリリウム・トレメンス」と同様、陶器風に塗装されたガラス瓶を使用しています。 


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 色は暗い赤茶色。その名の通り「夜」を想起させるような色です。
 アワ立ちは良いタイプですが、アワ保ちはあまり良くはありません。

 味は、程良い酸味とほのかな甘みをベースとし、苦みの少ないものです。最初の印象は、レッド・ビールやブラウン・エールと似ています。
 口に含んでいる時には目立たない苦みは、飲み干した後に喉の奥でその存在を、ほどほどに主張してきます。

 ボディはミディアムですが、味としてはそれほど深くはなく、ライトな感じです。
 しかし、8~9%というアルコール度数通りのアルコール感が、しっかりボディブローを放ってきます。このビールも、多くのベルギービールがそうであるように、ワインのようにじっくり楽しむタイプでしょう。

 姉妹品の「デリリウム・トレメンス」のようなフルーティ感はありません。「デリリウム・ノクトルム」には原材料としてハーブの類が記載されていなかったので、ハーブ使用の有無が、フルーティ感に影響していると思われます。
 しかし、どうしたことか、呑み進めていくうちに喉ごしにフルーティ感を明確に感じるようになってきました。
 これはもしかしたら、私の味覚がピンクの象の「夜の魔力」にかかってしまったためかも知れませんが・・・。
 
「デリリウム・ノクトルム」は、「デリリウム・トレメンス」と同様、知らぬうちに杯を重ねてしまう魅力を持った、とても美味しいビールです
 とはいえ、ピンクの象のお迎えが見えるようになったなら、それ以上呑むのは控えましょう。その先に待っているのは、間違いなく「夜の譫妄」であるからです。 

注).この「ピンクの象」は、「ローズ・エレファント」という素敵なお名前が、本名だそうです。

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 また逢ったね。うふふラブラブ