7-5 退化の極み 1 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

 ヒカリは幼稚園を卒業すると、そのまま幼稚園に隣接する小学校へ通うようになった。
 つくづく運命によって導かれているのだと実感したのは、家から小学校の門までわずか十五秒の近さだったからだ。
 特に小学校に近いからこの場所に引っ越してきたわけではなく、家賃や間取りなどの条件が良かったために、ここを選んだだけだった。
 つまり偶然である。やはりそこにも見えざる計画と配慮があったと言わざるを得ない。
 そのほかの変化といえば、モニカが市役所で職を得て働き始めたことだ。それによって生活は少し楽になり、向上した。

 その後、何事もなく月日が過ぎ、気がつけばぼくはいつの間にか四十二歳になっていた。

 この間、事業について特に進展はなかった。むしろその逆であった。

 バンガローは荒れ果て、それを支える柱の半分以上は腐りかけていた。ホームページを閉鎖し、トラックも廃車にした。

■ フォト 「ヒカリ――小学低学年」

■ フォト 「ディズニー弾丸旅」

■ フォト 「ユニバ・デイトリップ」

小学校入学式のヒカリ(6歳) (明石市東人丸町 2009年)

 

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