7-3 マキラ・ホリデー 1 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

 キリスト教の伝来によって廃止された伝統もある中、サンタ・アナでは民族ダンスはしっかりと現在まで残されていた。
 老若男女問わず大切にしてきた民族ダンスは、主に祭りの時に披露された。なんとも幸運であったのは、今回たまたま祭りがあり、ぼくは彼らの踊りを鑑賞することができた。
 場所はナターゲラ村、祭りは午後二時過ぎに始まった。グプナとナフィノトーガからも大勢の人が集まってきた。
 まず男性十人が唄い出す。それに合わせて美しく着飾った女性たち八十人ほどが広場に入ってきた。
 女性たちは腰みのをまとい、首にはイルカの歯を連ねて作られたネックレスをつけ、頭には派手な赤い飾り、体にはシェル・マネーを帯、非常に華やかだった。
 男性陣の合唱は力強く、女性たちの踊りは優雅で、全体として見事な調和感があった。
 弓矢を射る踊り、ビートルナッツを食べる踊り、花を摘む踊り、沐浴の踊りなど民族ダンスはすべて日常生活をモチーフにしていた。

 こうして伝統と文化は効率よく次世代へと継承されていく。

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