6-15 テレビに出ませんか? 1 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

 工場で働くようになってしばらくすると、ある重大な出来事が起こった。タイミングがよかったのは、ヒカリがまだ幼稚園に入る前だったことだ。

 なんとテレビ局から取材依頼が来た。海外で活動する家族を対象にした全国放送の番組だった。それに出演しませんかということだった。
「はい、出ます」
 と即座に答えた。これはなにかのチャンスだと思った。
 問題はぼくらがすでにアダコアを離れていたことだ。話のつじつまを合わせるために、急きょソロモンへ飛ぶことにした。

取材班と言っても、のっぽなディレクターと、ちょっぴりシャイなカメラマンの二人だけだった。
 身長一九〇センチのディレクターは、初めて訪れる場所では必ず頭を打つと言った。

■ フォト 「インチョン国際空港」

マライタへ渡る飛行機(2007年)
 

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