5-7 素敵な天使 1 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

 ――ロイヤル・ニュージーランド・エアフォース。
 という文字が、空軍輸送機の胴体に入っていた。
 軍人らしき屈強の男たちが忙しく動き回り、飛行機に乗り込むとフライト・アテンダントまでが女性の軍人だった。
 機内はどんなだろうかと思っていたが、普通の旅客機となんら変わらなかった。違ったのは昇降口が機体の尻についていることだった。
 席は前から順次に詰めていった。最後に乗り込んだぼくは一番後ろの列になった。隣りは空いており、ゆったりと特等席――。
 と思っていると、大柄な軍人がやってきて、文字通り肩と身が狭くなってしまった。
 飛行機が離陸してしばらく、ビスケットと紙パックのジュースが機内食の代わりに配給された。

 驚いたのは隣りの軍人だった。

                 ロイヤル・ニュージーランド・エアフォース(ホニアラ 2000年)
 

------前頁----目次----次頁--