あいのことば | ☆こどもココロの天井裏☆ こころカフェゆるの木別館

☆こどもココロの天井裏☆ こころカフェゆるの木別館

かつてここには扉はなくて
ただ海が広がっていた
そういう
この世界

お産のためにお休みに入られる小学校の先生が、
学校にいらっしゃる最後の日に、してくださったお話です。

「ある国の王さまが、あるとき、ことばにきょうみをもちました。

にんげんは、どうやってことばをおぼえるのだろう。

そこで、王さまは、じっけんをしてみることにしました。
国中の、生まれたばかりの赤ちゃんと、お母さんをおしろに集めました。
そして、こんなめいれいをしました。

これからここで、赤ちゃんのおせわをしなさい。
そのときに、まもってほしいきまりがあります。
オムツをとりかえたり、おっぱいをあげたりすることは
ちゃんとやってください。
でも、そのときに、わらったり、だっこしたり、
ことばをかけたりしてはいけません。

お母さんたちは、赤ちゃんをたいせつにおせわしました。
まいにちオムツをとりかえて、おっぱいをあげました。

それから一年後、赤ちゃんたちはどうなったでしょう。

ひとりのこらず、なくなってしまったそうです。

にんげんは、愛情がなければ生きていけない生きものなのです。

みなさんは、今、生きていますね。
それは、みなさんが赤ちゃんのときに、
おとうさん、おかあさんがみなさんをだっこして、わらいかけて、
はなしかけて、たいせつにたいせつに、愛してくれたからなのです。

わたしも、おなかにいる赤ちゃんを、たいせつに、愛して、
そだてたいと思います。
赤ちゃんはなにもおかえしをしてくれないと思いますか?
そうではありません。
わたしが笑いかけると、赤ちゃんも笑いかえしてくれます。
そのときわたしもとてもしあわせなきもちになります。
そうして、わたしも愛をもらっているのです。

みなさんが、小学校にあつまって、
いろいろなお友だちといっしょにすごしているのは、
人をだいじにすることを学びにきているということなのです。

どうかお友だちを大切にしてください。

いのちを大切にしてください。」