「ねえ、学校の時計はヘンなんだよ。
休み時間にはあっというまにすすんじゃうのに、
授業の時は、ものすごくゆっくり動くんだ。」
真剣な表情でその子は言いました。
そうだよね。時間ってそういうものなの。
学校の時計は、たしかにヘンなんだよ。
人の本当の時間を刻んではくれないんだ。
でもね、私たちは本当は
いつだって、
あっという間に過ぎてしまう休み時間を生きてる。
終わるときになってやっと
そのことに気づくんじゃないかな。
さようなら、もういなくなった人。
さようなら、これからいなくなる人たち。
休み時間に、一緒に遊べて楽しかったと、
あっという間の時間だったと
そういって皆帰っていく。
時計が刻んだ時間とともに。