友人が、日本からやってくる。
フランスを経由してくるフライトは、
既に2時間の遅れがあるが、
フィレンツェが小さいおかげで、
さして、私には影響がない。
フィレンツェの駅近くから、空港まで向かう専用バスは、
通常、30分おきに出ているし、
道が混雑していなければ、
15分ほどで着いてしまうほど、
遠く離れてはいない。
バスの発着所に着くと、
なんだか閑散としているように思ったのは、
時間が遅いからだろうと思っていた。
チケット売り場は、
電気がついているが、
誰もいない。
ウィンドウをノックしようが、
声をかけようが、
全く人の気配がない。
外にいる運転手は、
さして重要そうでもない話に花を咲かせている。
イタリア人は、おしゃべり好きだ。
そんなところを、
敢えて、割って入って、
「チケットを購入したい」ことを伝える。
「俺に任せろ!」
そう、答える。
「Ci penso io!(チ ペンソ イオ = 俺に任せろ!)」
イタリア人がこう言っても、
あんまり、ちゃんと任せられたためしはない。
バスの中のチケット購入は、割高だが、
やっぱり、ちょっと高めに取られる。
ずるい...
けど、まぁいい。
無事に友人と再会することが出来、
さて、タクシー乗り場まで向かうと、
タクシーがいない。
係員みたいな格好をしている人たちが、数人いたが、
あいかわらず、ここでもおしゃべり。
なんだか、「sciopero(ショーペロ=ストライキ)」とか言っている。
だったら、最初から言ってくれ。
誰も何も言わないから、
そこで、しばらく待っていた私たちは、
結局、タクシーが来ないことを、
並んで、しばらく経ってから、知った。
いそいそと、来た時と同じバスに乗り、
一路、駅に向かうのである。
イタリアでは、おきまりのショーペロ。
給料交渉の為に、
ストを起こす。
年に一回とかなら、許せるけど、
結構、何回もやる。
ストをして、
給料が思うように上がってるのかは知らないが、
ちゃんと働いて、
収益が上がれば、
潤いは増すから、
その方が、よっぽど効果的なんじゃないか???
と思うけど、
それは、日本人的考えなのだろう...と思う。
そして、今日は、
鉄道のストライキ。
明日が土曜で、次が日曜だから、
人によっては、3連休。
あいかわらず、働かない。
イギリスがEUから脱退するとかしないとか。
こんなイタリア見てたら、
EUに加盟している利点が、確かに見えなくなる。
加盟国に経済的支援をしても、
お金は返ってこないわ、
難民は押し寄せるわで、
それじゃあ、まるで、
チケット買ったが、
バスは出ないわ、
金は戻ってこないわ...
みたいなもんだ。
一体、
どこへ向かって行くのだろう...
そう思わざるをえない訳である。