今日も朝から... | 私のイタリア時間

私のイタリア時間

イタリアに住みはじめて、20年もの月日が経ちました。
イタリアでの何気ない日々。流れる時間の中で起こる、ふとした出来事や思い。
このブログでは、そんな日常を1枚の写真と共に書き綴っています。




毎朝7:00になればお店を開け、

開店準備に入る。

パスタやスパイスの入った棚を出し、

味見用のバルサミコ酢などを並べる。


毎日、毎日、

同じようだが、

同じ日は、1日として ない。


毎日って、天気のようだよね...


そう、同僚と話す。


その目の前を、

また、いつものように、

Zingari(ジンガリ=ジプシー)が通る。


イタリアでは、

一応、

可哀想な人たちになっている。

国籍がないからだ。

「かわいそう...」

っていう扱いになってるけど、

結構、いっぱい食べてるし、

みんなに分けてもらった小銭を

ジャラジャラ、持っている。

多分...、多分だけど、

私より持っている時もある。

彼らは、ちゃんと働いていない。

彼らが働くとすれば...

街角で、「お腹空いてます!」

と書かれた紙を持って、

紙コップにお金入れてもらったり、

人ごみの中で、

どさくさに紛れて、

人のカバンに手を突っ込んだりして、

小銭を稼いでいる。


そんな Zingari とて、

いつも、ヘラヘラと笑っているわけではないのだ。


時に、喧嘩し、

時に、唄い、

時に笑ったりする。


Zingariだって、

恋に落ち、

一喜一憂したりする。


大概、彼らは、彼らの中で落ち着くが、

人の感情...という点では、

何ら、自分たちと変わらない。


女同志で喧嘩している日もあれば、

鼻歌唄って、楽しそうにしている時もある。


「なんかさ働いてなくて、苦労しなくていいよね...って、こっちは思っても、そっちはそっちの世界があるんだよね~。」


どちらからともなく、

私たちは、そう、つぶやく。


別に、Zingariになりたいわけでは、

決してない!が、

苦労せずに生きてく世界なんて、ないよな...

と、究極の世界を目の当たりにして、思うわけである。


今日も朝から、Zingari が行く。


{880FF794-9744-4791-8D2A-F61EEACF10E8}


あ、

Zingariって、イタリアでは、差別用語らしい...とイタリア人がのたまう。

正しくは、Rom(ロム)というのだと。

言ってることは、結局、同じ。


人間ていうのは、時々、

あれやこれやの理由で、

複雑にしたがる生き物なのかもしれない....



⬇︎ 良いこともあれば、悪いこともあるのね...

  


最後までお付き合い、どうもありがとうございます。