10/06/21 忙しいあなたの代わりに新聞読みます 月曜コラム | ON THE STREET CORNER インディーズ取材日記

10/06/21 忙しいあなたの代わりに新聞読みます 月曜コラム

メールマガジンのコラムを転載です!


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[8] 月曜コラム「ON THE STREET CORNER」
                   松本由歌子:音楽フォトグラファー
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六本木にある、国立新美術館で開催されていた、「ルーシー・リー展」を見て
きました。

美術館の展示スタイルが素晴らしかったのか、作家のパワーが強かったのか、
陶芸に見識のない私にも、大きな感動が押し寄せた展覧会でした。

ルーシー・リーは、1902年(明治35年)に、ユダヤ人医師の娘として、ドイツ・
ウィーンに生まれました。十代の頃から才能を発揮していたのですが、第一次
世界大戦、そして第二次世界大戦と、戦争の時代をくぐっています。ナチスか
ら逃亡してイギリスに亡命し、1995年に93歳で亡くなりました。ですからベ
ルリンの壁の崩壊も見届けた人生です。

20世紀を代表する陶芸家と認識され、コーヒーカップセットが何百万もするほ
ど、巨匠として認知されている彼女ですが、正当に評価されたのは、60歳を過
ぎてからなのだそうです。評価される前の彼女の作品を持っていた人は、値打
ちが10倍以上になったということです。

展示品の中で、最も人気を呼んでいたのが、陶製のボタンでした。コートや
ジャケットの前を留めるあのボタンです。

第二次世界大戦時に、物資が不足して、ボタンの材料も限定されていたのです
ね。そういえば去年国立博物館で、カルティエ展を見たときに、やはり戦時中
のアクセサリーの材料が、極端に制限されていたことを思い出しました。器が
売れなくなったルーシーは、生活のために、やむなくボタンを焼いたのです。

男性は徴兵され、女性は軍需工場で働く時代でした。ルーシーは工場勤務が終
わった後、夜にボタンを製作したそうです。仕立て屋からの注文通りの、服地
に映える色あいに、陶器を焼き上げる作業は、釉薬(ゆうやく・・・うわぐす
りのこと)の調合がとても難しくなります。できあがった陶製ボタンは、宝石
や貴金属の質感を見事に表現していて、土をこねて作ったというのが信じられ
ないほど完璧でした。

そのときの経験が、ルーシーが、戦後また、器に戻ったときに役立つのですね。
彼女の器のフォルムは、若い頃から円熟期まで、それほど変わっていないので
すが、色は戦後の方がぐっと華やかになります。

激動の時代を生きた女性アーティストの人生が、器に反映され、また、器作り
を通して彼女の知性がより磨かれていく様子が、特に胸に響きました。


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カチンコ補足コラム

最近ちょっと疲れ気味で、思うように美術展めぐりができなくなってしまっています。

もっと勉強しなくちゃいけないんですけどね。


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ロックミュージシャンステージ写真ほかをお楽しみくださいね音譜