こんなお話
今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。解雇された彼女の連絡窓口となった杉村三郎は、経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。折しも街では無差別と思しき連続毒殺事件が注目を集めていた。人の心の陥穽を圧倒的な筆致で描く吉川英治文学賞受賞作。
買ってから気づいたのですが、「誰か Somebody」のシリーズ物でした。
まあ、読んでなくても、全然大丈夫ですが...
さらに、次のお話もあるみたいで楽しみです。まだ本にはなってないようですが、新聞で連載されているようです。
杉村三郎は、ある意味、とってもうらやましい人
奥様が、超大企業 今多コンツェルンの令嬢(とはいえ妾腹なので会社の経営には一切口はだせない)で、資産家。
転職を余儀なくされたとはいえ、与えられた仕事は、コンツェルン内の広報室で、食いっぱぐれはないし、仕事ももともと自分の専門分野だった編集の仕事
一人娘にも恵まれ、妻の異母兄達とも円満な関係を築けている
まあね、それはそれで、いろんな悩みがあるわけですが...
タイトル通り、毒の多いお話
リアルな毒も出てくるけど、そんなものより、人の放つ毒がスゴイ!
人間って怖いなーって、つくづく思います。
トラブルメーカーの原田いずみは、ちょっとありえないぐらいのひどい人ですが、それを、いまどきの普通の若者ですって評する人がいる。ちょっとわかる気もします。表に出すことはなくても、心の中で、原田いずみのように考えたりすること、多かれ少なかれあるんじゃないかなーとか思ったり...
まあとにかく、宮部みゆきさんの人間観察のすごさに脱帽
面白い作品でした。
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